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「あれ?」 管理局本部のとある場所で、局員がある事に気付く。 「どうした?またネットオークションでいい物でも見つけたか?」 別の局員がその局員に聞く。 仮に気付いた方を「局員A」、質問した方を「局員B」としておこう。 「いや、今回の事件の事で何か参考になるかと思って、過去の事件の記録調べてたんだけど…」 「事件?ああ、海鳴市とかいう所で怪物が出たって言うあれか。で、それがどうかしたのか?」 局員Aが言いにくそうに口を開く。 「P・T事件でジュエルシードっていうロストロギアが回収されたよな?そのジュエルシード…全部回収されてないみたいなんだ」 「…なんだって?」 局員Bが信じられないというような面持ちで局員Aのパソコンに駆け寄った。 「ほら、ジュエルシードは全部で21個だろ? そのうちこっちで回収できたのは12個、決着ついてから奪還したのが8個。 …つまり20個しか回収できてないんだ」 「それって…どういう事だよ?」 分かっているのに局員Bが聞く。そして予想通りの答えが返ってきた。 「その最後の一個は、プレシア・テスタロッサが持っているのかもしれない」 「…だ、だけど見つからないだけかもしれないし、仮にそのプレシアが持っていたとしても、奴は虚数空間に落ちたんだろ? ならあいつが帰ってこない限り悪用されることも無いんじゃないのか?」 局員Bがまるで心配事を打ち消そうとするようにまくし立てる。 「…だといいんだけどな」 「つまり、そのカードデッキさえあれば、アリシアを生き返らせる道が開けるという事?」 『そうだ。だが、今は13個全てがそれぞれの人間に与えられた後だ』 「…ならどうすればいいのよ?」 『簡単なことだ。他のライダーから奪えばいい』 そして神崎は一枚の紙を渡す。一通り目を通してみると、それは名簿のようだ。 『ライダーの名簿だ。それに載っている人間からカードデッキを奪え』 プレシアが長いこと黙りこくっている。『殺人』を犯す覚悟をしているのだろうか。 やがて、神崎の方を向き、覚悟を決めた表情で答えた… 「…ええ。カードデッキを奪い、その戦いに参加させてもらうわ」 『…覚悟は出来たようだな』 「アリシアを生き返らせる…そのためなら、私は人殺しにもなるわ」 そう言ってその部屋を出て行った。ちなみに、その部屋は少し前まで真司が住んでいた部屋である。 …言い忘れたが、ミラーワールドは海鳴市にしか存在しない。 そして、ミラーワールドの存在と化した神崎が姿を現せるのも海鳴市のみ。 つまり、プレシアは虚数空間から海鳴市に飛ばされたのだ。 『プレシア・テスタロッサ…どれほど場をかき回してくれるか…』 第九話『ライダー交代』 そして半日ほどたった現在、プレシアはある男と遭遇していた。 その男の名は高見沢逸郎、仮面ライダー『ベルデ』である。 そして名簿を取り出し、問う。 「あなたは…仮面ライダーベルデ、高見沢逸郎ね?」 「(ライダーの事を知っている?何者だこいつ…) …ええ、そうですが…何のご用でしょう?」 「意外ね、こんなに早く見つかるなんて。 早速だけど、あなたの持っているカードデッキ、頂くわ」 あまりにも唐突である。高見沢も面食らっているようだ。 「…どういうおつもりで?」 「ライダーには叶えたい願いがある。そうでしょう?」 「というと…って、別に気取って話す必要もねえか」 突如、高見沢の雰囲気が変わった。 「おいアマ、神崎士郎に何言われたか知らねえが、てめえ如きにこのデッキはやらねえ。 俺はこいつで力を得る。誰もお呼びもつかねえような超人的な力をな」 「なら、あなたの持っている会社は力ではないのかしら?」 「会社?ハッ、あんなもん屁みてえなもんd(ズゴォッ)…何のつもりだ?」 話が終わる前に、プレシアの攻撃魔法『フォトンバレット』が火を噴いた。 だが、高見沢はすんでの所でそれを避ける。 「話に夢中になっている間に倒して奪おうと思っていたのだけれど…やっぱりそう甘くは無いわね」 確かにこの方法ならほとんど労せずしてデッキを奪えるだろう。だが、やり方がせこい。 それが高見沢の逆鱗に触れたのか、鏡へとデッキを向けて変身した。 「てめえ、生きて帰れると思うな!」 戦いはベルデの方が有利に進んでいた。 バイオワインダーにクリアーベントを組み合わせた戦法が功を奏し、さすがのプレシアも攻撃を当てることが出来ない。 それでも命中の直前に防御魔法を使っているので、何とかダメージは受けていなかった。 (ライダーの力がこれほどだったとは…あれを使っても問題はなさそうね) プレシアが何かを取り出す。それは… 「あ?何だあの青い石…宝石か?」 「一応、警告はしておくわ。今すぐ降参して、デッキを渡しなさい。 今なら…殺さなくて済むわ」 この女は何を言っている。ここまで有利に戦いを進めているのはベルデの方のはずだ。 当然聞き入れず、バイオワインダーで長距離攻撃を仕掛けるベルデ。だが、それが命取りになった。 「そう、残念ね…さよなら」 ズゥン… 轟音が鳴り響く。音とともに煙が巻き上がる。 煙が晴れたとき、そこにいたのはプレシア一人だけだった。 誤解の無いように言っておくが、決してクリアーベントで姿を消しているわけではない。 その証拠に、服のポケットにベルデのデッキがしまわれている。 「待っていて、アリシア…必ずあなたを生き返らせてあげるから…」 そう言うと、プレシアは去っていった。 後に残っていたのは、高見沢逸郎『だったもの』だけである。 仮面ライダーベルデ:高見沢逸郎…死亡 プレシア・テスタロッサ…二代目仮面ライダーベルデとなる 残るライダー・・・13人 その晩、北岡弁護士事務所にて。 「先生、夕飯出来ました」 助手の由良吾郎が北岡に夕食を渡す。ちなみに今日の夕食はスパゲティだ。 それをフォークで巻き取り、口へと運ぶ。 「…うん、吾郎ちゃんの料理最高だよ」 いつもの事ながら、大絶賛である。 と、事務所の電話に着信が入った。 「はい、もしもし。北岡弁護士事務所です…え?何ですって?」 北岡がかなり驚いている。何があったのだろうか。 「はい…はい…では、その話は後日お伺いして、そのときに改めて…ええ、では」 北岡が電話を切る。そして吾郎に内容を話した。 「はー…参るよ。高見沢グループの社長さんが死んで、俺との契約何とかしたいってさ」 「え?あそこの社長さん、死んだんスか?」 「ああ、そうだよ…知り合いみたいな口ぶりだね」 「ええ、まあ…死んだ今になったら無意味でしょうけど、先生への伝言預かってたんスよ」 「伝言?何よ?」 「『いつか倒しに行く。待っていろ、仮面ライダーゾルダ』…そう言ってました」 「へえ…あの人ライダーだったの?」 『そう、仮面ライダーベルデだ』 その声に驚き、北岡・吾郎ともにその方向に振り向く。 そこにはいつの間にか、神崎士郎がいた。 「…いつからいたのかは聞かないよ。で、何か用?」 『高見沢逸郎とお前は知り合いだったようだからな、話しておいたほうがいいだろう』 そう言うと神崎は、プレシア・テスタロッサのことを話し始めた。そして話し終えると、この言葉を残して消えていった。 『勝ち残るつもりなら急いだ方がいい。でないと、次に消えるのはお前になる』 「やれやれ、神崎士郎も人が悪いよ。あんなこと聞かせて発奮でもさせようって言うのかね?」 神崎が去った後、北岡がそう呟いた。 「先生…」 「だーいじょぶだって。まだ時間はあるしさ」 北岡の中にある病、それが彼の命を喰らい尽くすにはまだ時間はある。 それまでに終わらせないと、その病が北岡を消す…神崎はそう言ったのだ。 「大丈夫、俺は死なないよ。俺が死ぬより先に、この戦いに勝ち残るからさ」 北岡はそう言って、残りのスパゲティを完食した。 次回予告 「あ、ごめん。でも大丈夫だよね?」 「これが我々の作った擬似ライダー、オルタナティブです」 「僕は…いや、僕達は英雄になる」 「おま、そんなの有りかよ!?」 仮面ライダーリリカル龍騎 第十話『香川研究室』 戻る 目次へ 次へ
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Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6 キングの足元に転がっているのは、ヒビだらけになった家電量販店の看板。 それから、二匹の龍が争った事で破壊されてしまった無数のコンクリートの塊。 少年の姿に戻ったキングは、足元の瓦礫の一つをこつんとを蹴り飛ばした。 しかし、蹴ってもまるで動かない瓦礫に、足の爪先の方が痛みを感じてしまう。 人間とはなんて不自由な生物何だ、と考えながらも、仕方なく瓦礫を一つ一つどけていく。 「うーん……運が良ければこの変にあると思ったんだけどなぁ」 言いながら、探し物を続ける。 キングが探し求めているのは、パソコンだ。別にノートでもデスクトップでも何でもいい。 出来る事なら持ち運びが可能なノートが欲しいところだが、この際贅沢は言わない。 情報戦に有利になる為には、何かとパソコンは使える筈だ。実際に自分だって元の世界ではパソコンを使っていたのだから。 家電量販店と言うからには、パソコンの一台くらいはあるだろうと考えたのだ。 しかし、今回は騒ぎが大きすぎた。商店街の半分以上を破壊してしまうなんて、規模が大きすぎる。 その影響で家電量販店はもはや建物ですらないし、いくつか見付けたパソコンも最早使い物になりはしない。 だが、落胆するばかりではない。これはキングにしてみれば、この殺し合いにやってきて最大のイベントなのだ。 全く面白くなかったと言えば嘘になるし、考え方によっては何よりも楽しかった。 「おっ、これなら使えるかな?」 暫く探し続けて、ようやく閉じられたノートパソコンを発見。 嬉しそうな笑みを浮かべながら、パソコンを開けて見る。 スリープ状態になっていただけなのだろう。開けられたパソコンは問題なく起動。 その状態に満足する。だが、残念な事に電池はもうすぐで切れてしまいそうな状況であった。 充電器は無いかと周囲を探すが、流石にそこまでは見つからない。 結局役立たずかよ、とパソコンを捨てようとした、その時だった。 「ん……何だこれ?」 デスクトップの背景の隅で、アイコンが点滅していた。 キングにも、それがメール受信の知らせだという事は一目で解る。 だけど、一体誰がメール何か送るのだろうか。そんな疑問がキングの脳裏を過る。 まぁいいか、と。キングはカーソルをメールのアイコンに合わせて、クリックした。 メールの内容を心中ですらすらと読み上げていく。 「……は?」 それがキングの第一声だった。 各施設の調査―― これは別に言われなくてもやる。大きなお世話だ。 地上本部の罠―― これは自分にとっては有益だったし、罠なら罠で構う事はない。スルー。 放送内容の反復―― そもそも殺し合いの行く末に興味がないキングにとってはどうでもいい。スルー。 さて、どうにもスルーする訳には行かないのは、この次の項目だ。 キングへの警戒―― 何だよそれ、と。心中で愚痴を零す。勝手にこんな事をされては、キングとしても困るというもの。 すずかというのは確か、なのは・フェイト・はやて三人の友達だった筈だ。少なくともキングはそう記憶している。 そう考えると――というかそう考えなくてもこんなメールを送る人物はまず一人しか思い当たらない。 「あのタヌキ……やってくれるじゃん」 柄にもなく、苛立ちに表情を歪める。 自分と面識を持っており、地上本部の仕掛けを知っているもの。 さらに言えば、この会場にいるなのは、フェイト、はやての内の誰か。そこまで言われて気付かない筈がなかった。 ナメてるのかあのタヌキ女、と。堪らなく本人に直接言ってやりたい衝動に駆られた。 ここで一旦ため息を落とし、落ち着きを取り戻す。冷静さを欠いてはいけない。 そっちがこういう挑発をするなら、こっちにも考えがあるよ、と。不敵に笑う。 取りあえずこの宛先にメールの返信でもしてやろうか――と思ったが、却下。 別に脱出派という訳でもない。仲間が欲しい訳でもない。ならば下手に自分の情報を与える道理はない。 ならばどうするか。メールを返信する意味はあまり無い。 何とかしてはやてに報復出来ないか。いや、それならそれでキングにもやりようはある。 ポケットから携帯電話を取り出し、データフォルダを物色。 探すのは、赤い恐竜の死体を撮影した時の画像――探すのは数秒、すぐに発見。 何枚か撮影した内の数枚を表示させる。 赤い恐竜――ギルモンが血を流して死んでいる傍ら、殺害者であるはやてが写り込んでいる画像。 はやてがギルモンを殺した直後に撮影した画像なのだから、殺害直後のはやてが一緒に写っていても何ら不思議では無い。 しかも自分が殺しましたと言っているかのように、血に汚れたツインブレイズまで握りしめてくれている。 「ほらー、顔怖いよはやて」 携帯の画像に写ったはやてに、嬉しそうに笑い掛ける。 他者の命を奪った直後の人間が。特にはやてのような元々は平凡な人間が。 平然とした表情で居られる筈がなかった。 キングのデータフォルダに入ったはやての画像は、まさに修羅の如く歪んだ一瞬。 別にこんなことをする為に写真撮ってた訳じゃないけど、と心の中で弁明する。 そう、実際キングは趣味で“写メ”を活用しているだけに過ぎない。 ――でも、そっちが先に僕に喧嘩売って来たんだし、仕方ないよね♪ 悪びれる様子もなく微笑む。また面白い遊びを見付けたとでも言わんばかりの表情だ。 やはり八神はやてという女は面白い。キングを十分に楽しませてくれる。 非常に上機嫌そうに、キングは皆の元へ戻って行った。 ◆ その場所は、見渡す限りが虹色に輝いていた。 上も下も、右も横も無い。奇妙な浮遊感。 しかし、不思議と嫌な気持はしなかった。 「私は、死んだのか……?」 宙に漂うような感覚に支配されながら、ペンウッドは呟いた。 そうだ。自分はなのはを守るために、死んだのだ。槍で体を串刺しにされて。 でも、後悔はない。自分の行動で誰か一人でも救う事が出来たのだから。 ペンウッドが瞳を閉じようとした、その時だった。 ――君はまだ死んではいない。 「え……!?」 聞こえる声に、瞳をこじ開ける。 何処かに誰かが居るのだろうか。そんな不安が、全身を駆け巡る。 「だ、誰だ……!? 私が死んでいないとは、ど、どういうことだ……私は確かに――」 ――君は目の前で散りかけた命を、その身を犠牲にして救った。 ――俺は君の行動に感銘を受けた。君をこのまま、死なせたくはない。 尚も聞こえる声。何処か暖かいような、不思議な感覚。 しかし、ペンウッドの中の不安感は消えない。 手足をばたばたと動かす。が、虚しく虹色の空間を彷徨うだけだった。 姿なき声は、尚も説明を続ける。 ――君が命を投げ出そうとした瞬間、俺は君の身体と融合した。 「ゆ、融合……?」 聞こえる声に、復唱で返す。 訳がわからなかった。自分の身体が何かと融合してしまったという事は、つまり吸血鬼にでもなったのか。 自分は人間では無くなってしまったのか。そんな不安が波となって押し寄せる。 ――そうだ。もしも俺と分離してしまえば、君はまた死んでしまうだろう。 「そ、そそそれは困る! どうすればいいんだ?」 慌てて声を張り上げた。 一度は投げ出した命でありながらも、生き延びられるのであれば生き延びたい。 ペンウッドは、額に汗を浮かべながら慌てて問うた。 ――俺と共に、このゲームを打ち破って欲しい。救える命を救い、ここから脱出するんだ。 「そ、そんなことが簡単に出来たら……」 ――ここには俺の仲間も居る。皆で力を合わせれば、必ず主催者を打ち破れる筈だ ペンウッドは思考する。生き延びる方法がそれしかないのであれば、自分はそれに賭けたい。 というよりも、それしかない。融合することでしか生きられないのなら、そうする他に道は無いだろう。 殺し合いにも乗っていないとのことで、少しばかり安心。無理矢理思考を前向きに持って行こうとする。 だけど、どうしても不安な事が一つだけあった。 「わ、私はこのまま、ずっと君と融合していなければならないのか……?」 ――ずっとでは無い。長期間融合していれば、君の身体もじきに回復する筈だ。 安心させるような声だ。ほっ、と安堵の表情を浮かべる。 一気に肩から力が抜けて行くのを感じた。 ――……そろそろ時間だ。君の仲間達が呼んでいる。 「え……え!? ま、待ってくれ……君の名前は!?」 声が急に何処か遠くへ行ってしまうような気がして、ペンウッドは慌てて呼び止めた。 ペンウッドの視線のずっと先に、青と銀色の姿をした宇宙人の様な影が垣間見えた気がした。 人間に良く似た、されど何処か人間離れした不思議な雰囲気。 ――俺の名前はヒカリ……ウルトラマン、ヒカリ。 「ウルトラマン……ヒカリ?」 呟くペンウッドの先で、ヒカリと名乗ったウルトラマンの影が急速に遠のいていく。 しかし、遠のくだけでは無い。彼方から、眩い光を放ちながら、青い何かが近づいてくるのが見えた。 青い何かは、ペンウッドの腕に向かって―― ◆ ――ペンウッド! おい、ペンウッド! 自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。 この声は確か、エメラルド色の髪をした女性――C.C.の声だったか。 そこで、ペンウッドは何処か不自然だと感じた。何故C.C.の声がまだ聞こえる。 そもそもさっき見た夢は幻だったのか。刺された脇腹はどうなったんだ。 そんな疑問を浮かべるが。 「……あれ!?」 がばっ、と。ペンウッドが起き上がる。 急いで全身を確認する。特に脇腹を念入りに、だ。 しかし、傷と思しき傷は何処にも見当たらない。 いや、そんな筈はない。くまなく全身を見渡すが―― 「あ、あの……これは一体……?」 ふと、目に止まったのは、自分の右腕の装着された青いブレスレット。 ブレスレットに収められているのは、金色の短剣のような形をした装飾品だった。 腕に装着されたブレスレットを、眼前の一同に向け、疑問を投げかける。 「それ、確かペンウッドさんの支給品に入ってたブレスレット……ですよね?」 「支給品……そ、そうだ! あの時、何の役に立つのか解らなかったから……」 学校で支給品の確認をした際の出来事を思い出す。 確かにこんな形のブレスレットが、自分に支給されていたような気がする。 しかし、短剣のようなものが入ってはいるものの、実際に使うには短すぎる。おまけに本当に剣なのかも定かでは無い。 ブレスだからといって、通信気にも見えない。どちらかといえば本当にただの装飾品のように見えた。 だからこそペンウッドも金居も、それを碌に調べずにデイパックの中へと仕舞い込んだのだ。 だが、今ではハッキリと解る。このブレスレットが、自分の命を救ってくれたのだろう。 「そうだ、このブレスレット……このブレスレットに私は救われたんだ!」 「そのブレスレットのお陰で、内臓を貫くほどの傷が回復できた、というのか?」 半信半疑な目つきで、C.C.がペンウッドを睨む。それでもペンウッドは勢いよく頷いた。 ペンウッドは知らないが、C.C.もまた人並み外れた回復能力を備えている。そんなC.C.だからこそだろう。 人に元々備わった能力では無く、ブレスレット自体が回復の力を秘めている事が理解出来ないという様子だった。 このブレスレット――ナイトブレスこそ、自分の命を救ってくれた支給品。 ウルトラマンヒカリと名乗った何者かの意志で、自分は助けられたのだろう。 だが、そう考えると何故プレシアはこんな支給品を参加者に配ったのか、という疑問が残るが……。 ◆ それからややあって、チーム内での情報をもう一度纏める事にした。 皆の話を纏めるリーダー役を買って出たのが高町なのはだ。 元々C.C.とペンウッドを纏めていたなのはを中心に話した方が、スムーズに事が進むと判断したからだ。 C.C.達の話は既に知っているために、まずは新しく合流した天道とキングから話を聞く。 その前提として、ペンウッドが寝ている間に簡単なお互いの自己紹介は済ませていた。 「じゃあ、天道総司さんもキングさんも、殺し合いには乗っていないということでいいんですね?」 「当然だ。俺を誰だと思っている。俺は天の道を往き――」 「まぁね。そりゃあギラファとはいつか決着付けなくちゃいけないけど、ここで殺し合ったってどうにもなんないし」 天道が、ゆっくりと人差し指を天に翳そうとしたところで、キングが喋り出した。 それも、わざと天道の言葉を遮断するようにだ。まるで一度自己紹介された時に聞いた挨拶を、二度も繰り返させまいとするように。 割とすぐに並行世界という説を理解してくれた天道だが、本人の話では10歳中頃の自分達にも同じような自己紹介をしていたという。 こればっかりはなのはも、キングの空気を読んだ行動を素直に評価しながら、話を続ける事にした。 「じゃあ、少なくとも今は仲間だと……信じていいんですね?」 「まぁ、殺し合いにはあんまり興味無いし、どちらかと言うと味方でいいと思うよ」 「はぁ……解りました」 殺し合いには興味がない。つまりは、殺し合いに乗りはしないが、脱出がしたい訳でもない。と。 故に完全な味方では無く、“どちらかというと味方”という曖昧なポジションだ。 以上の事柄から、結論を導き出す。やはりキングは要注意人物だ。 天道総司も、キングを睨む時の視線はまるで何かを疑っているかのような視線だし、それが一番だろう。 とにかくキングはあまり信用し過ぎない方がいい、と。なのはが考えることにした。 天道に関しては、恐らく殺し合いに乗っていないというのは本当なのだろう。 決め手となったのは、ペンウッドを初めて見かけたときの天道の表情。 少なくともなのはには本当に心配しているように見えたし、何よりも天道が悪い人間ではないということは見れば解る。 どうにも絡みづらい相手だという事に変わりはないが、敵では無いことに間違いはない筈だ。 次に、危険人物や保護対象の話を纏める。 現在の段階で、天道総司の証言により追加されたリストはこうだ。 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始、浅倉威 友好的:機動六課組、ヘルシング 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見) 追加されたのは連続殺人、及び強盗犯の浅倉威。敵対的から要注意へと移動したのが、キング。 キングを疑う理由は言わずもがなとして、浅倉威という人物は相当に危険な人物らしい。 また、天道総司が言うには、浅倉威もまた天道と同じ世界の住人らしい。 浅倉威も龍騎と同じようなカードデッキで変身し、一度は天道が変身したカブトに倒されたとの事。 それから一度警察に逮捕されたらしいが、実際にその後から連れてこられたのか、 はたまた別パラレルワールドの別人なのかは定かでは無い。 「……それから、カードを使う黒い仮面ライダーにも襲われたな」 ふと、天道が言った。 この会場に呼ばれてからすぐに出会った仮面ライダー。黒い体に赤い瞳。カードを使うライダー。 そいつに突然奇襲を受け、自分は痛手を負った、と。 なのはが敵対的な人物リストに、“黒いライダー”を追加しようとした、その時だった。 キングが、ちょっと待って、とその手を止めさせる。そのまま携帯をいじり始めた。 「それってもしかして、コイツの事?」 「これは……」 ややあって、キングが見せたのは、ベージュ色のコートを着た若い男が映った動画。 周囲に別のライダーや怪人も居るようだが、この際それは問題では無い。 最も注目すべきは、ベージュのコートの男が黒いライダーに変身する瞬間だ。 どうやらこの動画は、キングが何らかの方法で男が変身する瞬間をカメラに収めた映像らしい。 全員に見えるように、キングが携帯を皆の前で開き、再び動画を再生。 天道の証言が正しければ、その若者は危険人物と言う事になるが―― 「ちなみにキングさんとその仮面ライダーはどんな関係なんですか?」 「は? 仮面ライダー? 違う違う、こいつはアンデッドだよ。53番目のね」 その言葉に、なのはは聞き覚えがある気がした。 そう。金居達と情報交換をした際にも、同じような話を聞いた気がする。 「もしかしてその人が……ジョーカー?」 「そうそう、正解。よく知ってるね」 ぱちぱちとわざとらしく拍手をしてみせるキング。 なのはは苦笑いを浮かべつつも、キングに拍手を辞めさせる。 しかし、キングの話はこれだけでは終わらなかった。 「ジョーカーは血も涙も無いような奴だから、この殺し合いにも乗っちゃったんだろうね ……と、そうそう。忘れてたよ。もう一人危険な奴がいるよ。」 思い出したかのように、キングが再び携帯をいじり始める。 やがて開いた画像に映っていたのは、血まみれになった赤い恐竜。 それと、血に濡れた双剣を携えた―― 「はやてちゃんッ!? どういうこと……!?」 「そうそう、八神はやて。最初にここに飛ばされた時にちょっと一緒に行動してたんだけどさ……結構ヤバいよね、この子」 「ヤバいって、何がですか……?」 友達を侮辱されたとあっては、流石のなのはも怒りを覚えずには居られない。 表情を曇らせたまま、なのははキングに詰め寄った。 しかし、キングは携帯電話の画面をなのはの眼前に押しつけながら、悪びれる様子無く続ける。 「はやてって子はこのゲームに乗っちゃってるってこと。この顔見ればわかるでしょ」 「そんな……そんな筈ありません……だって……」 「信じる信じないは君の勝手だけどさ。あんまり油断し過ぎない方がいいと思うよ」 確かに、キングの言う通りだ。携帯に写ったはやての表情は、とてもまともな人間とは思えない。 言うなれば、ゲームに乗ってしまった狂気の殺人者とも表現できる表情だ。 なのはは何処か、心が揺さぶられるような感覚を覚えた。 確かに自分は殺し合いに対する認識は甘いかも知れない。 だけど、友達を疑うのはあまりいい事では無い。出来る事なら、信じていたい。 しかし、あの画像も偽物とは思えないという事実が、なのはの胸を締め付ける。 (友達でも、信じちゃいけないって言うの……?) 心中で呟いた。質問に答えてくれる人間等何処にも居ないのに。 俯き、考える。このままでは完全にはやては悪者になってしまうが……。 ◆ 天道は、考えていた。 本当にキングの言う事は全てが信じられるのかどうか。 写真にまで撮っているのだから、ジョーカーとはやての件は本当なのだろうが―― (どうもきな臭いな……) やはり、キングは何かを企んでいる。相手がアンデッドならば、尚更だ。 アンデッドであるキングが、人間を貶めて一人勝ちを狙っているとしても何ら不思議では無い。 かといって、キングは中々ボロを出しはしないだろう。 どうするか、と。思考を巡らせる。 まずはジョーカーに関してだ。 こいつは有無を言わさず突然自分に襲いかかってきた。これは自分の目で見た事実だ。 あの時天道が感じた殺意も、まさしく本物。故に、キングが言っている事も本当なのだろう。 以上を踏まえて、ジョーカー=相川始については要注意。 倒さねばならないのであれば、今度は確実に倒す。一度負けた借りは返さなければ気が済まない。 次に、八神はやてについてだ。 まず気になったのは、八神はやてが天道の知ってる子供の姿では無く、なのはと同じく大人になっている事。 なのはが言うにはパラレルワールドの別人との事だが、今まで子供だと思っていた相手がいきなり自分と 年齢が近い大人になっているとあれば、驚かないのも無理はない。 しかし、それ以上に驚いたのは、あの八神はやてが誰かを殺したという事だ。 高町なのはが大人になれば、こんな人間になるのだろうという事は、目の前のなのはを見ていても別段不自然には思わない。 しかし、八神はやてがこの十年でここまで豹変してしまうとは考えづらい。 何処かの世界で、彼女は変わってしまったのか。それはもしかしたら自分の世界のはやてかも知れない。 どちらにせよ、はやてについても保留。要注意として認識し、もし話す機会があれば話を聞く事も必要かもしれない。 そんな天道の心中を知ってか知らずか、今度はキングが天道の顔を覗き込んできた。 「どうしたのさ龍騎。そんなに浮かない顔して」 「何だと……?」 「だって君は今日から仮面ライダー龍騎なんだろ? なら、カブトを取り戻すまで君は龍騎だ」 相変わらずの、バカげた言い分。 こいつはアンデッドだ。仮面ライダーを人間では無く敵として判断するのは不自然では無い。 故に人間としての名前では無く、仮面ライダーとしての名前で呼ぶのだろうか。 とにかく、キングから目を離してはいけない事に変わりはない。 しばらくは龍騎で我慢するしかないか、と深いため息を落としつつ。 「……龍騎じゃない。俺様だ」 一応否定はしておいた。 こういう輩の相手は一番疲れる。故に簡単にキングの言葉を流した。 ふと、ポケットに入った二枚のカードを取り出す。 CONTRACTと書かれたカードと、SEALと書かれたカードの二枚だ。 これはインペラーのデッキの契約モンスターを全て倒した事により出現したカードなのだが、 天道はそれについては知らない。そもそもカードデッキというライダーシステム自体初めて見たのだから、無理はない。 CONTRACTは、単語の意味からして、恐らくはキングが言っていたモンスターとの“契約”カード。 そしてもう一枚、SEALは封印を意味するカードだが、何を封印するのかが天道には解らない。 (契約か……) 天道が思考する。 思い起こすのは、先ほど暴走して暴れまわったドラグレッダーの姿。 一匹でも暴走する可能性があるものを、そう何匹も契約するのは、あまり賢いとは言えない。 龍騎の力だけでも十分カブトには匹敵するし、単純にライダーとしてのスペックだけならカブト以上かも知れない。 故に新たなモンスターを見つけても契約するつもりは無いが、カードを捨てるつもりもなかった。 まずは、何故ドラグレッダーが暴走してしまったのかの理由も調べなければならない。 このカードの使い道について考えるなら、話はそれからだ。 (これも何らかの制限によるものか……?) ここに来て初めてジョーカーの襲撃を受けた時。自分の身体能力ならばもっと上手く立ちまわれた筈だ。 それなのに、自分は碌な対処も出来ないままにジョーカーに痛手を負わされてしまった。 今でこそキャロという少女のお陰で命に別状はないレベルにまで回復しているが、それでも不利なコンディションである事に変わりはない。 そこから考えるに、参加者にもモンスターにも、或いはこの空間にも、この首輪と連動する何らかの制限がかけられている可能性が高い。 もしかしたら、この空間にいる間はモンスターもある一定の条件を満たしている間しか契約者の命令を聞かないのかも知れない。 その条件が何なのかは分からないが、調べてみる価値はある。 といっても、自分ならばモンスターを扱いこなせるという自身が心の何処かにあると言うのも間違い無い事なのだが。 そう考えた天道は、一応は念のため、二枚ともデッキに入れておいた。 ふと、視線をC.C.に向ける。先程の情報交換では、あの茶色のデッキの持ち主はC.C.という少女との事だが。 「お前、C.C.と言ったな」 「ん……あぁ、それがどうかしたのか」 「お前に聞きたい事がある。あのカードデッキについて――」 刹那、ほんの小さな音が、一同の耳朶を叩いた。 それは、遥か彼方より聞こえる微かな爆発音だ。 音が聞こえた方向に、一同が視線を向ける。 どうやら爆発が発生したのは、ここよりも少し南に位置する場所のようだ。 そこからもくもくと、黒い煙が天に向かって立ち上っていた。 しかし、煙の位置から考えるに、それは間違いなく数キロは離れた位置。 そんな位置からでも爆音が聞こえるという事はつまり。かなり大規模な爆発という事になる。 天道は視線を上げ、立ち上る黒煙をじっと見詰めていた。 【1日目 昼(放送直前)】 【現在地 C-3 崩壊した商店街】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、プレシアに対する怒り、悲しみと迷い、軽い不安 【装備】グロック19(14/15+1発)@リリカル・パニック、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、 ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式 【思考】 基本:誰の命も欠かす事無く、出来るだけたくさんの仲間を集めて脱出する。 1.なんとしてもヴィヴィオを救出する。それは何よりも優先したい。 2.南で起こった爆発を調べに行きたいけど…… 3.出来る限り全ての戦えない人を保護し、仲間を集める。 4.はやてちゃん……本当にゲームに乗ってるの? 5.早く騎士ゼストの誤解を解かないと…… 6.情報処理室の事、言いそびれたな 【備考】 ※金居とキングを警戒しています。また紫髪の女子高生(柊かがみ)を気に掛けています。 ※金居の話=『ペンウッドは銀色の奴と手を組んでいる可能性がある』は半信半疑です。 ※はやて(StS)に対して疑念を抱いています ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。 【シェルビー・M・ペンウッド@NANOSING】 【状態】健康、若干の不安 【装備】ナイトブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】支給品一式×3、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、 トランシーバー×2@オリジナル、菓子セット@L change the world after story、おにぎり×10、ランダム支給品(未確認1) 【思考】 基本:自らの仕事を果たす。 1.南で起こった爆発を調べに行く。 2.ウルトラマンヒカリとは一体…… 3.アリサという少女の思いは無駄にしてはいけない。 【備考】 ※なのはを支える事が今の自分の仕事だと無意識に思っています。 ※ウルトラマンヒカリ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのはと融合することで、ヒカリの力を得ました。 ※現時点でヒカリとの融合が解除されればペンウッドは死にます。 【C.C.@コードギアス 反目のスバル】 【状況】健康 【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式 、ゼロの衣装(予備)@【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔王と魔法少女たち 【思考】 基本:向かってくる者は殺すが、役に立ちそうな物や人材はルルーシュに届ける。 1.この集団の中で行動するか、それともゼストを待つか……? 2.ピザの対価を払う方法を考える。 3.少なくともペンウッドより立場は上だ。 4.出来ればゼロの仮面も欲しい所だが…… 【備考】 ※スバルが『StrikerS』から来た事を知りません。 ※ゼストとの協力関係はギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。 ※「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっている事に気付きました。 ※再生能力も制限されている可能性があると考えています。 ※このデスゲームの中では死ぬつもりはありません。 ※プレシアのことは信用していません。 ※ゼストにはルルーシュの駒になってもらおうと考えています。 ※参戦時期は「STAGE9 ギ ア ス」(スバルを気絶させた後)からです。 ※スバルとゼストは同じ世界の住人かもしれないと考えています。 ※カードデッキの説明書はC.C.のデイパックの奥に追いやられています。探せば見つかります。 ※天道がゼロの仮面を所持している事に気付いていません。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康、疲労(中)、右脇腹負傷、一時間変身不可(龍騎) 【装備】カードデッキ(龍騎)@仮面ライダーリリカル龍騎、カブトエクステンダー@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸、ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル 『SEAL―封印―』@仮面ライダーリリカル龍騎、『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 1.天の道を往く者として、ゲームに反発する参加者達の未来を切り拓く。 2.南で起こった爆発は一体……? 3.カードデッキとモンスターについて調べる必要がある。 4.エネルを捜し、他の参加者に危害を加える前に止める。 5.キングは信用できない。常に警戒し、見張っておく。 6.この集団は信用出来そうだが、仲間にしてやるか……? 7.カブトセクターを始めとする各ゼクターを取り戻す。 【備考】 ※参戦時期はACT.10冒頭。クロックアップでフェイト達の前から立ち去った直後。 ※なのは、フェイトは一応信用、はやてについては保留、浅倉は警戒しています。 ※身体がいつものように動かない事を知りました。 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※キャロがエネルと共にいて、かつ危険な状態に置かれている可能性が高いと踏んでいます。 ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。 ※カードデッキ(龍騎)には、「契約」のカードと「封印」のカードが一枚ずつ入っています。 ※SEALのカードがある限り、モンスターは現実世界に居る天道総司を襲う事は出来ません。 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。 【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】 【状態】健康、上機嫌、一時間変身不可(コーカサスアンデッド) 【装備】なし 【道具】キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする 1.取りあえずはこの集団の中で遊んでみる 2.はやての挑発に乗ってやる。 3.浅倉とキャロに期待 4.シャーリーに会ったらゼロがルルーシュだと教える 5.とにかく面白いことを探す 【備考】 ※制限が掛けられている事に気がつきました ※ゴジラにも少し興味を持っています ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。 ※キングの携帯のお気に入りフォルダに『CROSS-NANOHA』へのリンクが存在します。 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※全ての参加者の性格と、おおまかな戦闘スタイルを把握しました。特に天道に関しては、念入りに調べてあります。 ※ゼロの正体がルルーシュだと知りました。 ※はやての事はゲームの相手プレイヤーという感覚で見ています。 【チーム:スターズチーム】 【共通思考】 基本 出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。 1.南で起こった爆発をどうするか……? 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。 4.工場に向かい首輪を解析する。 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたということに気付きました。 チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始 友好的:機動六課組、ヘルシング、 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見) また、アーカードについてはインテグラと合流出来れば従わせることが可能だと判断しています。 結果的にウルトラマンメビウスは、遠距離からのメビュームスラッシュという戦法を取った。 突き出された右腕から奔った閃光は、ガジェットをいとも簡単に貫いたのだ。 されど、破壊するだけならば誰にだって出来る。本当に問題なのはここからだ。 「な……!?」 咄嗟に腕を頭を庇うように突き出す。 メビウスが放った閃光が、ガジェットを貫いた瞬間。それは、戦闘機人チンクによって移動爆弾となったガジェットの起爆スイッチとなったのだ。 結果、巻き起こったのは大爆発。周囲を巻き込む程の爆風を巻き起こしながら、その爆風はメビウスを吹き飛ばそうと押し迫る。 咄嗟の、しかも予想に反して大きかった爆発に、残り少ないエネルギーで対処を取る事は出来なかった。 メビウスの身体は爆風に巻かれ、数メートル後方へと吹き飛ばされ―― 「デュア……ッ!?」 銀色の装甲に包まれた身体は、背後のビルの壁へと叩きつけられた。 コンクリートの壁はメビウスの身体をを優しく受け止める事は無く、その衝撃をメビウスは一身に受け止めた。 激突したメビウスの身体は、変身しているだけのエネルギーを失い人間体――ヒビノ・ミライとしての姿へと戻る。 アスファルトへと落下した身体を引きずりながら、頭を上げる。爆風の中、薄目を開けて現状を確かめる。 ミライの視界に写っていたのは、爆発して粉々に砕け散ったガジェットの残骸。 その残骸の一つ一つが、もうもうと漆黒の煙を天高く舞い上げていた。 (こんな事、してる場合じゃ……ないのに……) 薄れ行く意識の中、ミライが手を伸ばす。 しかし、その手は何も掴めず、ただ空を切るだけだった。 意識を手放したミライの手は、重力に引かれて固いアスファルトへと落ちて行った。 【1日目 昼(放送直前)】 【現在地 E-2とE-3の境界 大通り】 【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】 【状態】疲労(大)、気絶中、胸に切り傷(回復中)、一時間変身不可(メビウス) 【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】基本支給品一式、『コンファインベント』@仮面ライダーリリカル龍騎、 『おジャマイエロー』&『おジャマブラック』&『おジャマグリーン』@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:仲間と力を合わせて殺し合いを止める。 0.……………………(気絶中) 1.銀髪の男(=セフィロス)からはやてを守る。 2.一刻も早く他の参加者と合流して、殺し合いを止める策を考える。 3.助けを求める全ての参加者を助ける。 4.なのは、フェイト、ユーノ、はやて、キャロと合流したい。 5.ヴィータが心配。 6.メビウスに変身出来なかった理由を確かめたい。 7.アグモンを襲った大男(弁慶)と赤いコートの男(アーカード)を警戒。 8.紫髪の少女(かがみ)を乗っ取った敵(バクラ)や、その他の未知の敵たちを警戒。 9.自分の為に他の人間の命を奪う者達に対する怒り。 10.さっき聞こえた鳴き声は一体…… 【備考】 ※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。 ※制限に気付いてません。 ※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。 ※参加者は異なる並行世界及び異なる時間軸から連れて来られた可能性がある事に気付きました。 ※支給品の中にカードがある事に気付いていません。 ※スーパーにかがみが来ていたことに気付きました。 また、少なくとももう1人立ち寄っており、その人間が殺し合いに乗っている可能性は低いと思っています。 ※彼が倒れていたE-3大通りの近くに、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、 治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GXが放置されています。 また、ミライはその存在に気付いていません。 Back Alive a life ~死闘(後編) 時系列順で読む Next かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 投下順で読む Next かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 高町なのは(StS) Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) シェルビー・M・ペンウッド Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) C.C. Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) 天道総司 Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) キング Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) ゼスト・グランガイツ Next 太陽(前編) 万丈目準 Next 太陽(前編) ヒビノ・ミライ Next がんばれ! ウルトラマンメビウス
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「カード復活!?おま、そんなの有りかよ!?」 「目には目、歯には歯、反則には反則だよ」 デストワイルダーがガイを捕らえる。そしてタイガの方へと引きずっていった。 その当のタイガはデストクローを構えている。腹に突き立てるつもりだ。 「くそ…殺られてたまるかよ!」 だが、ガイも黙ってやられはしない。一枚のカードを取り出し、バイザーへと放り込んだ。 『ADVENT』 メタルゲラスが再び現れ、デストワイルダーを弾き返す。そして、メタルゲラスがデストワイルダーとの戦闘を始めた。 「く…あれ?あのライダーは?」 ガイがいない。どうやら逃げたようだ。 「帰ったのか…ま、いいや」 タイガはそう言うと、ミラーワールドを出て現実世界へと戻っていった。 「ったく、こいつまだ寝てるよ」 翌朝、眠っている真司の部屋にヴィータが現れる。どうやら起こしに来たようだ。 「さぁて、今日はどうやって起こすかな?」 いや、あの…頼むから穏便な起こし方にしてくださいね? そしてヴィータは何かを思いついたらしく、物置へと向かう。 1分ほど後、一枚の布をマントのように身につけ、ヴィータが戻ってきた。 そして真司の部屋にある椅子や鞄などを積み、その上に乗る。 次の瞬間、ヴィータが跳んだ。そして落下までに布をドリルのように纏い、回転を始める。 どこからどう見てもナイトのファイナルベント技『飛翔斬』だ。起こすのにこんな大技使うなと言いたい。 回転をし始め、真司に向かって落下していき、そして… 「起きろぉ!」「ごはっ!」 直撃である。 「起きねーとギガントで潰しちまうぞー…あれ?真司?おーい…」 少しおかしいと思い、ヴィータが真司を見ると…白目をむいて痙攣していた。泡まで吹いている。 さすがにやばいと思い、青ざめる。そして、 「シャマルゥゥゥ!真司が大変だ!早く来てくれぇぇぇぇ!!」 第十一話『完全復活』 「ヴィータ、さすがにあれはやりすぎやと思うで」 現在の状況を簡単に説明しよう。 真司を起こそうとしてあれだけの状態にしたことは、すぐに八神家全員の知るところになった。 で、正座したヴィータに向かってはやてが説教をしている状態である。 ちなみにシャマルは真司の手当てをしている…あ、目を覚ました。 「…あれ?俺…」 「あ、気がついたのね。えっと…実はかくかくしかじかで」 これで通じるのだから物語とは便利である。 そして事情を理解した真司がはやてを止めに入った。 「まあまあ、はやてちゃん。ヴィータも反省してるみたいだし、その辺で…」 「…せやな。被害受けた真司君もいいって言ってるみたいやし、もうええやろ。 ヴィータ、ちゃんと謝っとき」 そう言われ、ヴィータが真司に向き直る。 「…真司、さっきは悪かった」 「ごめんなさいは?」 横からシャマルが口を出す。 「…え?」 「『ごめんなさい』は?」 「…ごめんなさぁぁぁぁぁい!!」 どう見てもモモタ○スです。本当にありがとうございました。 その数時間後、アースラ食堂。 「しっかし、平和だねぇ」 「確かにな…モンスターはたまに出ることさえ除けばの話だが」 クロノとエイミィは、平和を享受しながら昼食を取っていた。 ちなみに、クロノはきつねうどん、エイミィはカレーを食べている。 「それはそうだけどさ、でも今ならモンスターくらい、結構簡単に倒せるでしょ?なら問題ないって」 「それはそうだが…」 ヴィー!ヴィー!ヴィー! アラートサイレンが鳴り響く。何かが起こったようだ。 「エイミィ!」 「分かってるよ、クロノ君!」 二人揃って艦橋へと急ぎ向かった… と思ったら、クロノが戻ってきて代金を払って行った。どうやら代金を払うのを忘れていたらしい。 そして艦橋にて。エイミィがすぐにオペレーター席につき、オペレートを始める。 「この反応…モンスターじゃない!傀儡兵が多数出現!」 「傀儡兵だって?迂闊だった…最近出ないから忘れていたな」 そう、どういう訳かミラーモンスターが出始めた頃、それに反比例するかのように傀儡兵の出現が減っていったのだ。 そしてここ最近は全く出ないので、みんな忘れていたようだ。 「…と、とにかく、なのはさん達に連絡して傀儡兵の迎撃を!」 指示を出すリンディ。それまでに多少間があったことから、彼女も傀儡兵を忘れていたのだろう。 「ん?なんか外が騒がしいな。真司、お前ちょっと見て来い」 「あ、はい。分かりました。じゃあ行ってきます」 そう言うと真司は、鞄を持って外へと駆け出していった。 そして外が見えたとき…驚きで鞄を落とした。 「何だよこれ…鎧?」 傀儡兵がいる。それも大量に。そして、そのうちの一体が真司へと向かってきた。 「くっ、このっ!」 とりあえず向かってくる傀儡兵を蹴り飛ばし、鏡を探す。だが、それより先に傀儡兵が真司へと迫る。 やられる。真司がそう確信した次の瞬間、向かってきた傀儡兵数体が両断された。 傀儡兵が崩れ落ちた向こう側には、それを行った張本人、フェイトがいた。 「真司、大丈夫?」 「あ、ああ。こいつら一体何なんだ?」 「これは『傀儡兵』。魔力で動く鎧みたいなものかな」 「そうか…こいつらは敵ってことでいいんだよな?」 黙ってうなずくフェイト。それを見た真司は編集部へと駆け戻る。 「遅えぞ真司。で、どうだったんだ?」 「と、とにかく隠れてください!」 真司のただならぬ様子に、ただ事ではないと察する一同。 「まさか…モンスターが出たの?」 「似たようなもんです!じゃ、俺はそいつらと戦ってきますから!」 そして編集部の窓ガラスにカードデッキをかざし、右腕を左上にピンと伸ばす。そして、 「変身!」 Vバックルにカードデッキを装填し、龍騎へと変身。そして窓を開け、一枚のカードをバイザーに装填した。 『SWORDVENT』 窓からドラグセイバーが飛来する。それをキャッチした龍騎はこう言った。 「じゃ、行ってきます」 そう言うと、その開いていた窓から飛び降りた。驚いてその窓に駆け寄る一同。 そこから見えた光景は、傀儡兵の集団と、それを片っ端から両断するフェイト。 そして飛び降りてから着地までの間に傀儡兵をなぎ払う龍騎の姿だった。 「準備はいいね?じゃあ行くよ!」 フェイトが着地した龍騎にそう言い、そして傀儡兵の集団に飛び込んだ。 その頃、翠屋では。 「何て数なの?これじゃキリが無いよ…」 「確かに。これは少し骨だ」 なのは・ライア・ユーノが同じく集団を相手に戦っていた。 この日は偶然翠屋にアリサとすずかが来ていて、この二人となのはの家族を守りながらの戦いとなっている。 それぞれが傀儡兵よりはるかに上の実力があるといっても、数が数。さらに家族や友人を守る必要がある分、多少不利だ。 まあ、それでもかなりの数を減らしたのだが。 パリィィン 翠屋の方から窓が割れる音。傀儡兵が入り込んできたのだ。 「まずいよ!あそこにはまだアリサ達が残ってるのに…」 だが、次の瞬間、その傀儡兵が何かに貫かれた状態で飛び出してきた。 その傀儡兵を貫いている物体に、なのはとライアは見覚えがあった。 「あれは…オメガゼールの杖?何でこんな所に?」 そう、かつて戦ったモンスター『オメガゼール』が使っていた杖だ。 そして、他の傀儡兵の数もどんどん減っていっている。それを遂行しているのはモンスターの群れだった。 「どういう事だ?なぜモンスターが傀儡兵を…」 「…お見事。いい腕ね、佐野さん」 中から聞こえたアリサの一言が、その疑問を解消することになった。 それを言った時、近くから人影が現れる。 「アリサちゃんを守るように、って念を押されてますからね」 その人影が姿を現したとき、モンスターとその『佐野』の関連が分かった。 その佐野とは、銀の仮面に茶の鎧、そして二本の角を持つライダー、『インペラー』だった。 「じゃ、俺も行くか」 そう言うと、インペラーは飛び上がり、数体の傀儡兵を蹴る、蹴る、蹴り飛ばす、蹴り壊す。 着地後、カードデッキから一枚のカードを取り出し、足のギガバイザーに装填した。 『SPINVENT』 そして大きな二連ドリル『ガゼルスタッブ』を手に、さらに片っ端から穿つ。 「ユーノ君、手塚さん、私達も負けてられないよ!」 そう言ったなのはが、レイジングハートを構える。 『Load Cartridge.』 「ディバイィィィン…バスタァァァァァァ!!」 『Divine buster. Extension.』 特大のディバインバスターが、傀儡兵を一気に消し去った。 よくロボットアニメなどで、特大のビームで敵の群れを蹴散らす演出があるが、今のはちょうどそんな感じである。 それから30分ほど後、あらかた片付いたので一度全メンバーが合流していた。 「しかし、久しぶりに現れたと思ったらこの大群、一体何が起こってるんだ?」 クロノが率直な疑問を口にする。その直後、エイミィから念話が入った。 『どうも、その原因が出てきたみたいだよ。 海鳴市の近くの海に、大きな魔力反応。その近くには大物モンスターの反応もある』 「何だって?分かった。すぐに…」 『待って!その魔力反応、そっちに近づいてる。多分戦うことになるんじゃないかな…気をつけて』 「そうか…分かった。みんな聞いたな?」 「いや…俺には何のことだか…」 そう言って手を上げる真司。 「…そうか、ライダーとはいっても、魔力があるわけじゃないんだったな」 そしてクロノが真司に今の念話の内容を説明した。 多分手塚や佐野にも聞こえていなかったのだろう。二人ともその念話の内容を今聞いたような表情をしている。 『大きな魔力反応、来るよ!』 そのエイミィの言葉とともに、翠屋付近の空間が歪んだ。 そして、その歪みから現れたのは…P.T事件の関係者なら知っている、しかしこの場にいるのが信じられない存在だった。 「母…さん…!」 そう、現れたのはプレシア・テスタロッサだった。 次回予告 「プレシアァァァァァ!!」 「勘違いするな、俺はそのライダーを倒しに来ただけだ」 「傀儡兵呼んでたのこいつだったのか!」 「それじゃあ…死になさい」 仮面ライダーリリカル龍騎 第十二話『プレシア・テスタロッサ』 戻る 目次へ 次へ
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仮面ライダーリリカル電王sts外伝第三話 「続リリカル電王珍道中物語~リンディさんの暴走~」 私はアイン。時の列車デンライナーで旅をしている。 今日はオーナーの知り合いの方が来るらしい。 しかし何だ?この嫌な予感は。まるで自らの命の危険を感じたような…。 数分後、私はこの予感が自らの未来だと感じた。 「私の知り合いで管理局に勤めているリンディ・ハラオウンさんです」 「ご紹介に預かりました、リンディ・ハラオウンです。よろしく」 「リンディってまさか!?」 「ああ、あのお茶の送り主だ!!」 「エェー!」 「今日は皆さんにお茶をご馳走してくれるそうですね」 「ええ。それじゃあ、食堂で待っていてくださいね」 そんな笑顔で言われても私には死神の微笑みにしか見えない…。 (頼む、夢であってくれ) しかし現実は甘くなかった。私とナオミは甘い匂いのする食堂を覗いた。そこには大きな鍋と湯飲みが四つあった。 「さて、頑張りますか」 ドンッ!そんな音がしたかと思うとそこにあったのは商業用の砂糖(しかも六キロ)が置かれていた。 (まさか、まさかな) そう思った矢先にリンディはソレを鍋へと投入し始めたのだった。 (それはない。頼むこれ以上は) どうやら神は見捨てたらしい。リンディは砂糖を全て入れると、少し味見をしていた。 「う~ん味が単調ねぇ。黒砂糖を入れるのもいいわね!」 (止めてくれ、それ以上は死人が出る) しかし、無情にも投入される黒砂糖(もちろん六キロ)であった。 さらに追い討ちをかけるようにリンディは次々とチョコレートを投入していった…。 (それはお茶ではないホットチョコだ!!) 虚しいかな、この気持ち、リンディさんには届かず、調理台の上にはボトルの様な物が置かれたのだった。 「オーナーさんも言ってたからこれも入れましょうか」 ドボッドボッドボッ、投入される液体。唖然としながら、 (もう、どうにでもなれ) アインは隣でフリーズしているナオミを見ながらそう思った。 「お待ちどうさま。はい、どうぞ」 渡された液体はもはやお茶ではなかった。アイン苦笑いをしながらナオミの方を向いた。 「お、お先にどうぞ…」 「やっぱ、私ですか~、では逝きます!」 飲んだ、がしかし何も起きない。ホッとしたその時、 「スゥーッ、スゥーッムニャ」 眠っているナオミがいた。 「それでは私も。ンクッ、ンクッ、ンクッ…ああ、美味しい…ヒック!」 「ヒック?まさか…」 「アインさんも飲みましょうよ~、気持ちいいですよ~、ヒック」 「止めろ、止めてくれ、ヤメロォォ!」 アインの絶叫がデンライナーに響き渡った。 「何が起こったの、うわっ、酒臭ッ!」 アインの絶叫を聞き、急いで駆けつけたハナだったが余りの酒臭さに鼻を摘まんでしまった。 そして、その場の光景に絶句した。そこには下着姿の二人の酔っ払いがいたのだから…。 「グルングルン、気持ちいいなぁ、ヒック」 「原因はなに?うん、何かしらこれ?」 そこにあったのは一本のボトルとチョコレートの箱。チョコレートの箱とボトルに書いてあるものをみてハナは驚愕した。 「ウィスキーボンボンにスピリタスってこれお酒じゃない!」 そんなことはお構い無しにアインは更に脱ごうとしたが突如ふらついた。 「もう眠いから寝る~おやすみなさ~い」 そう言って、奥に行くアイン。そして、入れ替わりに現れた人が一人。 「うわ、なんやこれ。酒臭っ」 ハナを見つけ、追いかけて来た、はやてであった。 「あ、はやてさ~ん、捕まえたぁ♪」 「うわ、な、何するん、リンディさん。それに、その格好…」 「え~い、飲みなさ~い!」 そう言ってはやてに無理矢理、アルコール入りリンディ茶を飲ますリンディ。 そして顔を伏せたその次の瞬間、笑い声が響いた。 「はは、アハハ。やったるでぇ、揉みまくったるでぇぇ!」 酔っ払いがもう一人。ハナは身の危険を感じた。手をワキワキと動かしながら接近するはやて。もはや万事休す。その時、 「すまない、はやて」 「ギャッ!」 白き影が現れたかと思うとはやてをチョップで気絶させたのだ。 「うそ、ジーク!?」 「姫、お見苦しい所を。では」 そう言って消えたジーク。ハナは何かを思ったらしく右手に何かを握りしめた。 そしてリンディの方を向くと右手のハリセンを大きく振りかぶると全力でひっぱたいた。 「グッ!」 その一言と共に気絶するリンディ。こうしてデンライナーでの騒ぎは収まった。 数時間後はやては目を覚ますと6課の施設内を歩いていた。二日酔いになりながら。 「うぅ、頭が痛い、気持ち悪い…」 そしてブラブラ歩いていると、なのはの姿を見つけた。 その様子を見ているとなのははR良太郎に抱きつかれ、びっくりしていたのが面白くてからかうことにしたのだった。 さて、後は皆さんもご存知の本編。時の列車は暫し未来へと走りましょう。 目次へ
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生体兵器研究施設 「生命体の兵器化改造」は管理局法で厳重に禁じられた行為だが、世界に広まる「魔法」との相性のよさもあり、 手を出す違法研究者や組織は跡を絶たない。そして、そのために生み出された、あるいは誘拐されてきた子供などが それらの研究に供されるのは、アイシスがわずかな思慮で思い当たる程度には「そう珍しくない」話でもある。 フッケバイン 凶悪犯罪集団として広域指名手配がかけられた武装グループ。 だが、政治的理由や各種の条約問題、彼らと「取引」を行なう管理外世界との軋轢といったさまざまな事情や、 彼らが保有する極めて強力な戦力、「拠点を移動させつづけている」ことなどから、 管理局でもその対処が複雑かつ困難な相手として知られている。 特務機動隊(エクストラフォース) 通常編成ではなく、臨時任務のために編成される舞台は「特務」の名が付くことが多い。 今回の特務機動隊は本局に存在する大規模テロや小規模戦乱の鎮圧などを担当する「脅威対策室」の名の元に編成されている。 EC因子適合者(エクリプスドライバー) 「エクリプス」の感染によりトーマの体にはすでに一次変化が発生していた。 そして「適合者」のみに現れるこの発病症状により、「EC因子保有者(キャリアー)」から「EC因子適合者(ドライバー)」 へと変化することになる。 管理局特務六課 今回編成された特務隊は、本局魔導騎士八神はやて二佐を筆頭に、 6年前に発生した都市型テロ「JS事件」において活躍した「機動六課」のメンバーが大半を占める。 偶然にも現在脅威対策室で編成された特務隊の「六番目」でもあったため、「特務六課」の名を与えられている。
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守れないひと◆9L.gxDzakI 我ながらよく言ったものだ。 んっ、と軽く身体を伸ばしながら、ルルーシュは自嘲気味に思考する。 ただの学生に過ぎないはずの自分が、随分とリーダー役が板についたものだ、と。 ありもしないカリスマを演出し、口八丁で人心を掌握。ゼロとなった自分の常套手段。 実際のところ、スバルに語ったあの言葉も、所詮はもっともらしく聞こえるようにしているだけのこと。 本気でそう思っているのなら、バスター・ブレイダーも投げナイフも、全て自分とスバルに割り振っていた。 いいやそもそもそれ以前に、スバルの武器だって没収し、自分が守る立場に立たなければ説明がつかない。 結局は戦力バランスを整えるために、彼女にレヴァンティンを与えたかっただけなのだ。 結果として炎の魔剣はスバルへと渡り、彼女の使わなくなった拳銃を、ルルーシュが受け取っている。 手のひらに感じる冷たさと共に、自分の冷ややかさを認識した。 彼が今立っているのは、合流場所に指定したエントランス。 デュエルアカデミアの未確認箇所の調査は、それらを縦に3区画に区切り、以下のように割り振っている。 上層部が、カードの扱いに長け、かつ内部構造を把握しているレイ。 下層部が、単体での高い戦闘能力を持つ、再びデバイスを手にしたスバル。 その中間が、派手な戦闘能力こそないものの、護衛にリインをつけたこなた。 残るルルーシュはというと、何者かがこのアカデミアに侵入してきた時のために、1人見張りを行っていた。 これはスバルの進言によるものだ。 腕を断ち切られたばかりでバランスも悪く、輸血もままならなかったルルーシュに、無理をさせてはいけない、と。 結果こうして、1人身体を休めながら、肉体労働もない楽な仕事についている。 とはいえ、別に怠けるつもりはない。 身体を動かさずとも頭は働く。 今のうちに現状について、更なる考察を進めておくか。 そう考えた、その矢先。 「!」 うぃん、と。 音が鳴った。 静かに。自動ドアの開く音が。 その音の意味することは1つ。侵入者がこのデュエルアカデミアにやって来た。 何者か。果たして自分に対応できるのか。そもそも殺し合いに乗っているのか。 ギアスも制限されており、右腕も失っている現状。 普段以上の緊張感と共に、今いる物陰から来客を覗く。 そして。 そこにいたのは。 「シャーリー!」 理解するや否や、ルルーシュは駆け出していた。 羽織ったマントをたなびかせ、侵入者の目の前へと一直線。 「ルル!?」 思わぬ学友の姿に驚いたのは、シャーリー・フェネットその人だった。 アッシュフォードのクラスメイトにして、同じ生徒会に所属する仲間。 ゼロとしての戦いに巻き込んでしまい、傷つけ記憶を奪った罪の証。 オレンジ色の髪の少女が、背中に小さな子供を背負い、今自分の目の前に立っている。 「無事でよかった」 本心だ。 スバルにそう語った時と変わらない、偽りのない彼の言葉だ。 何の戦う力も持たない彼女が、こうして生き延びていた。最も生存確率の低かった彼女が、こうして無傷で生きている。 このデスゲームに巻き込まれた最中、初めてと言っていい純粋な安堵。 対するシャーリーもまた、安心したような表情を浮かべている。 「……立ち話もなんだ、場所を変えよう」 そう言って、その身を翻すルルーシュ。 聞きたいことが山ほどあった。共に生き延びるためにも、少しでも情報が欲しかった。 どこか保健室にでも案内して、落ち着いて話を聞くことにしよう。 漆黒の装束を揺らし、移動しようとしたその瞬間。 「……ルル……?」 聞こえなかった。 シャーリーの靴音が。 震えていた。 シャーリーの声が。 その場で彼女が立ち止まり、何故か身体を震わせていることに気が付いた。 「どうしたんだ、シャーリー?」 怪訝そうな表情と共に、ルルーシュがそのまま振り返る。 再び見つめた学友の顔は、何故か驚愕の一色に染まっていた。 口を阿呆のように半開きにし、瞳は大きく見開かれていた。子供を背負うその背中が、がたがたと震えているのが分かる。 「お姉さん……?」 奇妙に感じているのは、背中の少女も同じらしい。 緑と赤のオッドアイは、確かスバルの言っていたヴィヴィオだったか。 ともかくも今その少女が、自分を背負っているシャーリーの顔を、心配そうに覗き込んでいる。 だが、彼女は応えない。 幼い娘が聞こえないかのように、ルルーシュをじっと見つめている。 「……ああ、これか」 そこでようやく見当がついた。 原因は恐らく、自分のこの右腕だ。 傷口を覆うはちまきへと、視線を落とす。 シャーリーはまだ知らなかったのだ。ルルーシュの腕が落とされたことを。そうして驚くのも無理はない。 「今はもう大丈夫だ。応急措置もされてるし……」 「――そうじゃない!」 だが。 しかし。 大声で発せられたのは、否定。 シャーリーの口を突いた声に、いよいよルルーシュは驚かされた。 どういうことだ。この腕が原因ではないのか。 ならば何故、彼女はこうも震えている。 一体何がそれほどまでに、シャーリーに衝撃を与えている。 彼女の思考が読みきれない。理由が全く分からない。どうして自分がそんな目を向けられる。 クイズの答えは。 「どうして、ルルが……」 すぐに発表された。 「ゼロの……お父さんの仇の、格好を……」 「!!」 その時だ。 ようやくルルーシュが気付いたのは。 シャーリーが震えている理由も。 彼女が自分のことを、かつての愛称である「ルル」という名で読んでいることも。 全ての疑問は氷解した。 そこに突きつけられたのは、想定しうる最悪の答え。 シャーリーの記憶が失われていない。おまけにゼロの正体を知らない。 「あ……」 彼女はナリタでの戦闘で、最愛の父を喪った、その直後からやって来ていたのだ。 これまで関心の薄かったゼロへの憎悪が、最も深く募っていたその瞬間。 そしてそのシャーリーの前に、よりにもよってゼロの服を着たルルーシュが現れた。 彼女が何を思うのか。その理解に、ルルーシュのような知恵はいらない。スバルやこなたでも一発で分かる。 「どうして……まさか、ルルが……本当に……」 憎むべき仇をようやく見つけた。 ここは殺し合いのフィールドだ。殺すための武器は持っている。 しかし、その正体はルルーシュだった。 友達であったはずの少年が、最悪の虐殺者の正体だったのだ。 思考のバランスが保てない。視線は右往左往と宙を泳ぐ。 もはやヴィヴィオを支えるその両手も、保つのがやっとというほどに。 あらゆる感情が混ざり合い、ごちゃごちゃとなって混沌を生む。 ルルーシュが取った反応は。 彼女の心を打ち砕いた、罪人の選んだ行動は。 「……フ……クク……」 吐息のような。 微かに漏れる。 抑えられた、笑い声。 そして。 すぐに。 それも。 「ファハハハハハハハハハハ……!」 大笑へと、変わる。 これ以上ないほどに丸くなったはずの、シャーリーの目が更に開く。 突如として上がった笑い声。これまで聞いたことのない、学友の放つ不気味な咆哮。 彼を取り巻く空気が変わる。 斜に構えていながらも、どこかに優しさを持った少年の、その気配が冷たくなっていく。 そこに立っているのはルルーシュではなかった。 彼女の知っていた彼ではなかった。 そこにあったのは。 かつてない、未知の。 「そうだ――私がゼロだ」 邪悪そのものの、笑顔。 「!」 彼女の知らないその声音。 彼女の知らないその表情。 遂にシャーリーは絶句する。 カオスを描いたその思考は、一瞬にして打ち砕かれる。 そうだ。その顔だ。 そう嘲笑うかのように。 ルルーシュはそこにあるはずもない、ゼロの仮面を顔へと被る。 学生としての自分を封印し、敢えて仮面の革命家へと変貌する。 弱者を虐げる強者への断罪のため。日本人を支配するブリタニアを叩き潰すため。 エリア11へと颯爽と舞い降りた、漆黒の魔王がそこにいた。 「ゼロ……」 「そうだとも。偶然巻き込まれたとはいえ、君のお父上――ジョセフ・フェネット氏の命を奪ったゼロだよ」 「……!」 遂に涙腺は決壊する。 緑色のその瞳が、熱い雫を孕んでいく。 零れ落ちる湿気。変色する足元。頬を真っ直ぐに伝う涙。 「お父さんの、仇……!」 「殺すか? それでもいいだろう」 されど、ルルーシュは不敵に笑む。 低くよく通る邪悪な声で。悪魔のごとき邪悪な顔で。 人でありながら、人でない。伝承のデーモンが降臨したかのような、凄絶にして残虐にして非情な笑み。 身にまとう絶対零度の雰囲気は、学友の涙にも怯みはしない。 微かに混ざり始めた敵意にも、その態度を決して崩さない。 そして。 「だが殺せるかな……君に?」 遂に。 とどめを刺す。 言葉の剣を、心臓目掛けて。 何の実体もない不確かなもの。しかし、時に武力以上の揺さぶりとなるもの。 ゼロの持つ最大最強の武器を、その急所目掛けて一直線に。 「っ!!」 返す言葉などなかった。 シャーリーに返せるはずもなかった。 相手は父を殺したゼロであり。 しかし、最も愛した少年でもあるのだから。 「ククッ……そう、君には殺せない。私はルルーシュ・ランペルージなのだからな」 お前にルルーシュが殺せるはずもない。 ずっと想い続けていた相手が、簡単に殺せるわけがない。 遥かな高みより見下ろすような。眼下の愚者を嘲笑うかのような。 卑劣な言葉の猛毒が、シャーリーの思考を焼き殺していく。 その声で打ち砕くのは幻想。 初恋の少年への純粋な想いを、憎悪を上塗りして粉砕していく。 「それでも私を殺すというのなら、その時は相手になってやろう。全てが終わったその時に」 その言葉をかけられた彼女が、これ以上ここに留まれるはずもなかった。 だっ、と。 大粒の涙の雫を振りまき。 オレンジの髪を虚空に舞わせ。 踵を返したシャーリーが、外へと真っ直ぐに駆け出して行く。 もうここにはいられない。 それ以上その声を聞くことはできない。 それ以上その顔を見ることはできない。 ルルと向き合うことが、つらい。 閉じる自動扉の音と共に、子供を背負った少女の姿は、街並みの灰色へと溶けていった。 悪魔の微笑をたたえるゼロだけが、その後姿を見送っていた。 静寂。 シャーリーが消え、1人になって。 ルルーシュを包むのは、完全なる沈黙。 ただ静かに、たった1人で。 誰もいないその場所に、佇む。 「――ルルーシュ!」 ややあって、上から聞こえてくる少女の声。 かつかつかつ、と足早に響く靴音。 上の階を調べていたスバルが、騒ぎを聞きつけ降りてきたのだろう。 「さっきの大声、女の子がいたみたいだったけど……!?」 近づいてくる声には答えない。 振り返ることすらもしない。 代わりに、ぽつりと呟く。 独り言のような言葉を。 「……あの時から、俺はずっと探していた」 そこにゼロの面影はなく。 「行動の責任を果たす、その術を」 元のルルーシュの声があった。 学生ルルーシュ・ランペルージの顔があった。 「ようやく見つけられたのかもしれない」 沈痛な表情を浮かべながら。 消え入るようなその声音で。 ここにはいないシャーリーへと、囁く。 「君が俺に銃を向けるのなら……」 これでよかったのだ。 自分は彼女の心を破壊した。 数多の人々の命を奪い、数多の憎しみをその身に受けた、仮面の魔王のやり方で。 ルルーシュ・ランペルージに抱いた幻想を砕き、ゼロへの憎しみを募らせた。 全てがはっきりとするように。 「俺はそれを受け入れよう」 世界の決断を委ねるために。 今市街地のどこかへと消えた彼女は、ゼロの被害者の象徴とでも言うべき存在となった。 ゼロによって殺された者。ゼロへ憎悪を抱く者。 漆黒の仮面の革命家の犠牲となった、あらゆる人々の意志の代弁者へと変えた。 この殺し合いが終わったその瞬間。 守るべき者達を守り通し、平和な日常へと回帰した時、自分は彼女の決断を受け入れよう。 彼女がゼロへの憎悪を選ぶのなら、自分はその銃弾の倒れよう。 彼女がそれでもルルを許すのなら、自分は戦い続けるとしよう。 シャーリーが目の前に立ちはだかった時、これが運命なのだと感じた。 世界が彼女の姿を借りて、このルルーシュへ判決を下そうとしているのだと。 ならば、君の答えは世界の答え。 世界に受け入れられるか、弾き出されるか。 どちらの答えであろうとも、俺は君の答えに従おう。 故に。 「……君を守ることは、できない……」 悲しげに呟いたその顔は、友の喪失への悲哀を宿す、1人の少年の顔だった。 【1日目 昼】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア1階】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】 【状況】左腕に裂傷、右腕欠損、疲労(大)、強い決意、深い悲しみ 【装備】SIG P220(9/9)@リリカル・パニック、ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、スバルのはちまき 【道具】洞爺湖@なの魂、支給品一式、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、 インテグラのライター@NANOSING、 救急箱、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、 ペットボトルの水、火炎瓶×4、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、 ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:守りたい者、守るべき者を全力で守り抜く 1.このデスゲームから脱出した後で、シャーリーに自らの命の決断を仰ぎ、それに従う。 2.シャーリー……俺は、君と一緒にはいられない…… 3.スバルを守るために、たとえ汚れ役を買って出てでも、スバルにとって最善と判断した行動を取る 4.ディエチやカレンの犠牲は、絶対に無駄してはならない 5.皆は反対するだろうが、もしもの時は相手を殺すことも辞さない。それだけは譲れない 6.ギアスの制限を確かめたい 7.戦力の確保及びプレシアの関係者を探す 8.何処かで首輪を手に入れておきたい。 9.C.C.、クアットロ、チンクと合流したい 10.ゲーム終了時にはプレシアに報復する 11.レイ、左腕が刃の男(=ナイブズ)、赤いコートの男(=アーカード)、殺し合いに乗った頭の切れる参加者を警戒 【備考】 ・ギアスに何らかの制限がかかっている可能性に気付きました。また、ギアスのオンオフは可能になっています。 ・ギアスの発動には、左目の強烈な痛みと脱力感が伴います。 ・プラント自立種にはギアスが効かないことが確認されました。 ・ギアスを使った際の疲労は命令の強さに比例すると考えています、同時にギアスが効かない参加者が他にも考えています。 ・ブリタニア軍特派のインカムはディエチからもらった物です。 ・こなたの世界に関する情報を知りました。もっとも、この殺し合いにおいて有益と思われる情報はありません。 ・「左腕が刃の男」が、既に死亡したナイブズであることに気付いていません。 ・ここにいるスバルを、“本物のスバル・ナカジマ”であると認めました。 ・レッド・デーモンズ・ドラゴンは現状では使えない可能性が高いと考えています。 ・「月村すずかの友人」からのメールを読みました。ご褒美の話をどう捉えているかは、後続の書き手さんにお任せします。 ・「月村すずかの友人」は、フェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ・シャーリーが父の死を聞いた直後から来ていることに気付きました。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、若干の不安 【装備】レヴァンティン(待機形態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、バリアジャケット(はちまきなし) 【道具】支給品一式、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、 スバルの指環@コードギアス 反目のスバル 【思考】 基本 殺し合いを止める、できる限り相手を殺さない、ルルーシュを守る 1.ルルーシュ……何があったんだろう…… 2.ルルーシュに無茶はさせない、その為ならば…… 3.こなたを守る。こなたには絶対に戦闘をさせない 4.アーカード(名前は知らない)を警戒、レイにも注意を払う 5.六課のメンバーとの合流、かがみとつかさの保護、しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら…… 【備考】 ・こなたが高校生である事を知りました。 ・質量兵器を使うことに不安を抱いています。 ・パラレルワールドの可能性に行き当たり、自分は知らない自分を知る者達がいる事に気が付き、 同時に自分が知る自分の知らない者達がいる可能性に気が付きました。 ・参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付いていません。 ・この場にいる2人のなのは、フェイト、はやての内片方、もしくは両方は並行世界の19歳(sts)のなのは達だと思っています。 9歳(A s)のなのは達がいる可能性には気付いていません。 ・仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いにのる可能性に気が付きました。 ・自分の存在が、ルルーシュを心を傷付けているのではないかと思っています。 ・ルルーシュが自分を守る為に人殺しも辞さない、及び命を捨てるつもりである事に気付いていますが、 それを止める事は出来ないと考えています。 また、自分が死ねばルルーシュは殺し合いに乗ると思っています。 ・「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ・シャーリーの大声を聞きましたが、それがシャーリーのものであることには気付いていません。 ・自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは、後続の書き手さんにお任せします。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.デュエルアカデミア内部を調べる。 2.首輪解除の手段と、ハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には、機動六課か地上本部で解析する。 3.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱えることに気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※チーム内で、以下のの共通見解が生まれました。 要救助者:シャーリー、ヴィヴィオ、十代、万丈目、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア (ただし、万丈目には注意が必要) 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ユーノ、クアットロ、チンク、C.C. (ただし、フェイト及びクアットロには注意が必要) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ) 以上の見解がそれぞれの名簿に、各々が分かるような形で書き込まれています。 ――何故、あんなことを言ったのだろう。 何故、ルルは否定してくれなかったんだろう。 何故、ルルは嘘だと言ってくれなかったんだろう。 自分はゼロじゃないと。自分は君のお父さんを殺していないと。 でも、ルルはそう言ってくれなかった。 自分はゼロだと認めていた。 あのゼロそのものの恐ろしい声で、あのゼロを思わせる恐ろしい笑顔で。 自分が君のお父上を殺した、ゼロの正体なんだと言っていた。 卑怯な言葉で嘲笑って。私の心をかき乱して。 そうして、私はあそこから逃げ出した。 ルルの顔を見ていられなかった。ルルの声を聞いていられなかった。 ルルをゼロだと認めたくなかった。 ねぇ、どうして? どうしてルルはあんなことを言ったの? いつもクールを気取ってるくせに、本当は妹思いの優しいお兄ちゃん。そんなルルはどこに行ってしまったの? 私の初恋の男の子は、どこに消えてしまったの? 分からない。 分からないよ。 ルルは今もそこにいるの? どこかに行ってしまったの? それとも最初からいなかったの? 私は――ルルを憎んでいいの? このまま一番大好きな人を、憎いゼロだと認めていいの? このまま一番大事な人を、ゼロだと認めて殺していいの? ルルを憎みたくない。嫌いになりたくなんてない。 でも私の心が、ゼロが憎いと叫んでる。ゼロが嫌いだと叫んでる。 私は―― 「……どうしたらいいの……ルル……!?」 【1日目 昼】 【現在地 G-7】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル】 【状態】健康、深い悲しみと激しい混乱、ヴィヴィオを背負っている 【装備】浴衣、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ゼロの銃(10/10)@コードギアス 反目のスバル 【道具】支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:みんなと一緒に帰りたい。 1.ルルを―― 2.ルルやスバルや六課の人(中でもヴィヴィオの為に優先的にフェイト)を探す。 3.もう1人いるなのはを探し、ヴィヴィオのママかどうかを確かめる。 4.ヴィヴィオを守る。 【備考】 ※六課がブリタニア軍の特殊部隊で、スバルはその一員だと考えています。ザフィーラを大型犬だと思っています。 ※プレシアはブリタニアの偉い人で、この殺し合いを開いたのは六課や日本人及びその関係者を抹殺する為だと考えています。 ※ヴィヴィオの境遇を自分と重ねています。 ※ここには同姓同名の別人がいると思っており、放送で呼ばれたなのはが別人の可能性があると考えています。 ※デュエルアカデミアを決闘の学校で物騒な所だと思っています ※ザフィーラが殺し合いに乗っているかもしれないと思っています。 ※駅を調べ終えました。 ガソリンスタンド、ホテル、映画館、デュエルアカデミア、病院をどのような道のりで調べるかは、まだ考えていません。 ※ルルーシュ=ゼロだと気付きました。 ※ルルーシュを殺すか許すかは、後続の書き手の方にお任せします。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(大)、シャーリーへの心配、悲しみ、決意、浅倉に対する複雑な感情、シャーリーに背負われている 【装備】ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式 【思考】 基本:フェイトママや六課の皆と一緒に脱出する。 1.お姉さん…… 2.ヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたいけど、浅倉お兄さんは……? 4.フェイトママを探す。 5.ザフィーラ、どこに行ったんだろう? 【備考】 ※浅倉の事は、襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉を信頼(?)しており、矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。 ※キングのことは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはがいる事に気付いていません。 Back 守りたいもの 時系列順で読む Next 湯けむり旅情!夜天の書 投下順で読む Next 湯けむり旅情!夜天の書 ルルーシュ・ランペルージ Next 過去 から の 刺客(前編) スバル・ナカジマ Next 過去 から の 刺客(前編) 泉こなた Next らっきーえむぶれむ星戦の系譜 早乙女レイ Next らっきーえむぶれむ星戦の系譜 シャーリー・フェネット Next 過去 から の 刺客(前編) ヴィヴィオ Next 過去 から の 刺客(前編)
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ホールドベントという声に気付き、すぐにかわす3人。飛んできた方向を見ると、ライダーがいた。 「あいつ…仮面ライダーガイの芝浦淳か!」 そのライダーは芝浦淳。仮面ライダー『ガイ』である。 だが、龍騎の記憶ではガイはヨーヨーを使ったことは無いはず。 そう思っていると、もう一人のライダーが現れた。 「何だ、あいつ…見たことも無いライダーだ…」 そのライダーは全身が緑色で、頭には大きな目のような何かが付いている。 見た目だけならカメレオンを連想しそうな姿だ。 「へー、神崎士郎が言ってた通り、他のライダーの事も色々知ってるみたいだね」 ガイが緑色のライダーと話す。どうやらこの二人は手を組んでいるようだ。 「でもアンタの事は知らないみたいだよ。ベルデの高見沢さん?」 「お前バカだろ?何で知らない相手にわざわざバラしやがんだよ」 「え?別にいいじゃん。名前だけ知られても能力知られてないんなら別に不利にもなんないし」 ガイとベルデが話している最中、ナイトがあることに気付く。 ベルデの声、そして高見沢という名。これで思い浮かんだのはある有名人物だった。 「高見沢…?まさか、高見沢グループ社長の高見沢逸郎か?」 それを聞いたベルデは、驚いた顔でナイトを見る。仮面で顔が隠れているから表情は分からないが。 「ほう、よく分かったな。どうやって理解した?」 「その声とその名前だ。テレビでお前の声は知っていたし、その声で高見沢といったら高見沢逸郎しか思いつかなかった」 「それだけ知られてんのか。そいつぁ嬉しい…なぁ!!」 声とともに『バイオワインダー』と呼ばれるヨーヨーで仕掛ける。今度はかわしきれず、龍騎に当たった。 「ま、待て!俺はライダーと戦う気はないんだ!」 戦意が無いことを必死でアピールする龍騎。 だが、ガイは親指を下に向け、手をいわゆる『地獄に落ちろ』という形にして言い放った。 「あっそ、じゃあ死んでよ」 第八話 『激闘』 『STRIKEVENT』 ガイがアタッチメント『メタルホーン』を装着し、龍騎へと仕掛ける。 『Panzerschild.』 だが、その攻撃はすんでの所で止められた。 シグナムが防御魔法『パンツァーシルト』で道をふさぎ、その隙にガイの懐に飛び込んだからだ。 「何をしている城戸!死にたいのか!」 どうやらシグナムは戦る気満々のようだ。 シグナムとしてもライダーとは戦いたくない。だがミラーワールドで動いているといつ襲われるか分かったものではない。 ならば遭遇したら死なない程度に戦い、ミラーワールドから追い出そう。シグナムはそう考えたのである。 シグナムはガイを蹴り飛ばし、そのまま一騎討ちへと持ち込んだ。 龍騎はそのシグナムの手助けに行こうとするが… 「どこ見てやがる、テメエ等の相手は俺だ!」 バイオワインダーによる遠距離攻撃を受け、そのままナイトと共闘してベルデと戦うことになった。 「どうしたのお姉さん、もう息切れ?」 余裕のガイと比べ、シグナムは多少息切れしている。 というのも、ガイは他のライダーと比べて高めの防御力を持っている。 さらに高い腕力とメタルゲラスの補助もあり、なかなか決定打を与えることが出来ないのだ。 と、その時シグナムが予備カートリッジを装填する。何か策でもあるのか? 「あれ?何かする気?」 そう聞いたとたん、カートリッジをロードし、いつのまにかシュランゲフォルムになっていたレヴァンティンを鞘へと収めた。 だが、ガイもそれを見てむざむざやられはしない。 「ま、いいや。それじゃ、そろそろ死んでよ」 『FINALVENT』 ガイがメタルホーンを持ち、メタルゲラスの肩へと乗る。その直後、もの凄いスピードでシグナムへと突っ込んでいった。 これがガイが持つ最大の必殺技『ヘビープレッシャー』である。 「待っていたぞ…そうやって大技を放ってくるのを!飛竜一閃!」 刹那、シグナムが鞘からレヴァンティンを抜き、中距離用の決め技『飛竜一閃』を放つ。 アドベント・システムの力もあり、ライダーのファイナルベント技を相殺するだけの威力はついている。 そして接触と同時に煙が上がる。 「うーわ、これじゃ周り見えないな」 だが次の瞬間、嫌でも周りが見えるようになると悟った。 シュランゲフォルムとなったレヴァンティンで体を絡めとられていたのだ。 「な、何だこれ!?まさか最初からこれを狙って…!」 「ああ、そうだ」 煙の中からシグナムが現れる。 「私も誰も殺したくは無い。ならばこうやってミラーワールドから追い出すまでだ」 そう言うと鏡の方を向き、 「分かったら」 振りかぶり、 「ミラーワールドから」 思い切り振り、 「出て行け!」 ガイを鏡へと放り投げた。だが、鏡へはまだ距離が足りない。 「レヴァンティン、システム起動だ」 『了解。アドベント・システム、起動します』 システムを起動させ、モンスターデータを実体化させる。 シグナムのシステムにはドラグレッダーのデータが入っていた。 そして不足分の距離をドラグレッダーが吹き飛ばし、ガイをミラーワールドから叩き出した。 ふと、『シュウウゥゥゥ…』といった感じの音に気付く。自らの体が粒子化していっている音だ。 「時間か。城戸、私は先に戻る」 聞こえたかどうかは定かではないが、反応しないところを見ると、聞こえていないのだろう。 それならそれでもいいとばかりに、シグナムはミラーワールドを去った。 一方、龍騎・ナイトvsベルデの方は… 「くっ、あいつどこ行ったんだ!?」 ベルデの持つ透明化のカード『クリアーベント』に苦しめられていた。 見えない相手からの攻撃、さらに攻撃の瞬間にすら姿を現さないから、苦しむのも当然である。 そしてその当のベルデは、物陰から次のカードを装填していた。 『COPYVENT』 ライアの持つものと同名のカード。だが効果は違う。 ライアがコピーできるのは武器のみ、だがベルデは姿までもコピーできるのだ。 そしてコピーベントでシグナムの姿をコピーし、二人に近づく。 「あ、シグナムさん。そっちは終わ…!?」 ベルデが姿とともにコピーした剣、レヴァンティンで斬りかかってきた。 慌ててドラグセイバーで受け止める。そしてその一瞬の隙を突き、ナイトがウイングランサーで思い切り突いた。 「な!?蓮、どういうつもりだよ!」 「あっちをよく見ろ。確かシグナムとか言ったか?あいつはそこでガイと戦っている。 ならばこいつは偽者…大方ベルデが化けたものだろう」 そう言われ、龍騎は指し示された方向を見る。 確かにシグナムとガイが戦って…今決着がついた。 そして飛ばされた方のシグナムを見ると…いない。どういうことか。 『FINALVENT』 こういう事だ。ベルデ最大の大技『デスバニッシュ』を仕掛けるために距離を置いていたのだ。 バイオグリーザの舌で足を縛り、まるで空中ブランコのようにナイトを掴む。 そして高速回転し、空中で止まった。当然頭を下に向けたナイトを掴んだ状態である。 「このまま脳ミソぶち撒けな!」 そしてそのまま地面へと急降下していく。このままだとナイトは死ぬだろう。 だが、龍騎がそれを許さない。 「させるかぁぁぁぁ!!」 『STRIKEVENT』 ドラグクローを呼び出し、昇竜突破を放つ。 その火球は狙い過たず、ベルデの腕をとらえた。腕を負傷し、体勢が崩れる。 その隙を利用し、ナイトが振り払う。何とか頭は打たずに済んだが、それでも体を強打し、気絶している。 そうこうしている間にベルデが立ち上がる。龍騎は身構えるが、 「時間切れか…やめた」 開口一番にそれである。そのまますぐに帰っていった。 肩透かしを食ったような感じだが、確かにベルデが粒子化を始めている。 おそらく龍騎やナイトより先にミラーワールドに来ていたのだろう。 「時間に救われた…かな…」 そう言った龍騎の仮面の下には、安堵の表情が浮かんでいた。 数日後。 「島田さんからここのシュークリームがおいしいって聞いてたからな…」 真司はとある喫茶店の前にいた。 なぜこんな所にいるか、それははやての家に居候していることを大久保に知られ、「たまには土産でも買っていった方がいいんじゃないか?」と言われたからである。 そして土産に何がいいか調べたところ、この店のシュークリームが美味いと聞き、それを買っていくことにしたのである。 意を決し、真司が店に入っていった。店の看板には『翠屋』と書かれている。 「いらっしゃいま…!!」 何という偶然。蓮と手塚がいた。それも二人ともウェイターとして。 「お前ら…もしかしてここで働いてたのか?」 あまりの出来事に、真司も驚きを隠せない。 「ああ、住み込みで午後3時ごろからな。秋山もだ」 話す気がなさそうな蓮に代わり、手塚が答える。 「ただいまー」 と、喫茶店のドアが開き、なのはが入ってくる。 「あれ?なのはちゃん、こんな所でどうしたの?寄り道?」 「え?違うよ。ここは―――」 「ここがなのはの家だ」 「…え!?」 予想だにしなかった出来事にさらに驚く。 「それと、神崎士郎の妹…神崎優衣と言うんだが、知っているか?」 「あ、ああ」 「…その神崎優衣もここで働いている。もっとも、今は買出しで出かけているが」 あまりの超展開に真司の脳がショートしている。 そして、熱暴走寸前の脳からようやくこの言葉を絞り出した。 「…偶然って怖いな」 この場にいた全員が同意したという。 同時刻、どことも知れぬ場所。 黒い長髪の女が倒れている。死んでいるのか?そう思いたくなるほど長い時間、ここで倒れているのだ。 「う…」 どうやら目を覚ましたようだ。もぞもぞと動き出し、起き上がった。 「私は…生きているの?」 言葉から察するに、今まで自分が死んでいたのだと思っていたのだろう。 女の名はプレシア・テスタロッサ。かつて『ジュエルシード』と呼ばれる結晶体で『アルハザード』という地に行き、娘を生き返らせようとした魔導師である。 だが、それも時空管理局、そして『高町なのは』と『フェイト・テスタロッサ』によって失敗、虚数空間へと落ちていったはずである。 「そうだ、アリシア!アリシアはどこ!?」 目覚め、意識もはっきりしてきたところで娘を思い出す。そうだ。自分とともに虚数空間へと落ちたはずだ。 アリシアを探すも、結局見つからない。絶望で途方にくれていた。 そんな彼女の前に、『あの男』が現れたのである。 『絶望しているようだな』 「…誰よ?」 『お前の絶望を取り除けるかもしれない』 「絶望?ジュエルシードも一つしか無い、それじゃアルハザードに行けない。 アリシアを生き返らせる道が立たれたも同然なのよ? それとも、生き返らせる方法があるとでも言うのかしら?」 『ああ』 男は事も無げに言い放つ。すると、その言葉にプレシアの目に希望が満ち始めてきた。 「どういう事?詳しく教えて」 そして男…いや、神崎士郎は話す。ライダーバトルの存在を。 「つまり、そのカードデッキさえあれば、アリシアを生き返らせる道が開けるという事?」 『そうだ。だが、今は13個全てがそれぞれの人間に与えられた後だ』 「…ならどうすればいいのよ?」 『簡単なことだ。他のライダーから奪えばいい』 そして神崎は一枚の紙を渡す。一通り目を通してみると、それは名簿のようだ。 『ライダーの名簿だ。それに載っている人間からカードデッキを奪え』 次回予告 「アリシアを生き返らせる…そのためなら、私は人殺しにもなるわ」 「意外ね。こんなに早く見つかるなんて」 「待っていて、アリシア…」 「やれやれ、神崎士郎も人が悪い」 仮面ライダーリリカル龍騎 第九話『ライダー交代』 戻る 目次へ 次へ
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スレ住人の皆様 遊戯王系単発SS クロス元:遊戯王 294氏 無題(仮) 294氏 一発ネタ(仮) 301氏 1発ネタ 遊戯vsなのは 294氏 第?話 正義の味方?参上 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~前編~」 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~後編~」 反目のスバル氏 無題(仮) エラッタ氏 無題(仮) 三十七代目スレ403氏 キャロが千年リングを見つけたそうです TOPページへ このページの先頭へ
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「オルタドライブ?」 シャーリーの言う単語は、デバイス関係を多少は齧ったわたしにも聞き慣れないものだった。 カズマ君のデバイス、チェンジデバイスと言うらしい箱か又は物々しいバックルとでも形容するしかないそれは、下手なロストロギアより謎だらけのものだった。 もちろん普通のデバイスとは全く違う。機能もよくは分からない。おまけに厳重なプロテクトとダミープログラムによって内部データは閲覧できず、ブラックボックスな中身故にコピーも難しかった。 「ええ、カズマさんが何度か使用した後に調べてみたら幾つかプロテクトが解除されていたんです。それで調べてみたらそんな名前が」 シャーリーにしては珍しい、聞いたことのない専門用語みたいだ。彼女に分からないなら、わたしにも分かる筈がない。 「それで、そのオルタドライブって何のことなの?」 名前からして動力機関みたいな気はする。けれど動力機関が搭載されたデバイスなんて聞いたことがなかった。 「このデバイスに搭載された魔力精製機関のことみたいです。これのお陰でリンカーコアのないカズマさんでも魔法が使えるみたいなんですけど……」 魔力素を変換出来る装置自体を聞いたことがない、とシャーリーは続けた。 簡単に言えば人工のリンカーコアということだと思う。けどそんなもの、一体誰が作ったの? リリカル×ライダー 第五話『鉄槌』 訓練、訓練、また訓練だった。 機動六課隊員、特にフォワードメンバーは頻繁にヘリで任務に向かっていた。復興支援や、ガジェットと呼ばれる自立戦闘機械の掃討などを行っているらしい。JS事件の傷痕は、未だあちこちに残っているらしかった。 一方の俺はまだ任務に従事出来るだけの訓練を積んでいないため、一人居残り練習という有り様だった。一応、教官としてなのはが残っているのは不幸中の幸いか。 すでに俺が目覚めてから、一週間も時間は経過していた。 「飛行魔法に魔力付与攻撃、それにベルカ式防御魔法だけかぁ」 なのはが訓練データを見ながらぼやく。 薄々気付いていたが、俺は相当不器用らしい。基礎的な射撃魔法はもちろん、魔力スフィアの形成も出来なかった。というより、射撃魔法自体が向いていないのだろう。他に補助魔法や戦闘以外に使用する魔法も試したが、いずれもダメだった。 唯一、飛行魔法だけは利点になるらしいが。 「まぁ、カズマ君はどちらかというと騎士だしね」 騎士という言葉は聞き覚えがあるが、彼女の言う騎士はおそらく違う意味だろう。 「なのは、騎士って?」 「えっと、わたし達魔導師がミッド式魔法を使ってるのは教えたよね? ミッド式はね、攻撃魔法は主に射撃魔法が得意で他にも補助魔法や様々な魔法を使うのにも向いた万能な魔法体型なの。一方、ミッド式と対を成す魔法体系にベルカ式と呼ばれるのがあってね。そっちは格闘戦用の魔法を中心に戦闘に特化してるんだけど、それを扱うのが『騎士』」 ……分かったような、分からないような。 まぁ、斬り合いや殴り合いの方が向いてるのは事実だ。 「似たような戦い方をヴィータちゃんとシグナムさんがするから、帰ってきたら習うといいよ」 そのヴィータちゃんとやらは知らないが。 「それよりなのは、もう一度ガジェットってのと戦わせてくれ。実戦形式が一番伸びるのが早い気がするんだ」 俺の案をしばし顎に手を当てて考えた後、溜め息と共に首肯した。 「大体のことは分かったしね。でもガジェットじゃ、物足りないんじゃない?」 なのは曰く、殴り合いや斬り合いが主な俺はガジェットに対し相性が良いらしい。AMFと呼ばれる魔力を阻害するフィールドを持つガジェットは並みの魔導師には天敵となるものの、自分のように殆ど魔力を使わないものには何の障害にもならないのだ。故にガジェットは自分に取って少々役不足な敵だった。 「でも他にないんだろ?」 「そういうわけでもないんだけど……」 いつまでも顎に手を当てて悩むなのは。段々イライラしてきた。 「おい、そこまで悩むんならさっさとその隠し玉出せよ!」 「うーん、後悔しても知らないよ?」 なのはは、にこりと笑った。 ・・・ 「フェイトちゃんお帰り。ここんとこ忙しいのに厄介事押し付けちゃってごめんな?」 「平気だよ。それにはやてだって大変なんでしょ?」 「私は何時ものことや」 フェイトちゃんが一週間ぶりに帰ってきていた。 彼女に依頼したのはカズマ君の調査。執務官という立場を生かして本局で調査してもらっていたのだ。未だ記憶が戻らない以上、こっちが地道に調べていくしかないのだから。 「それでどうやった? カズマ君の世界は見つかった?」 「管理世界と把握している管理外世界からここ最近急にいなくなった人をリストアップしたんだけど、該当する人はいなかった」 「そっか……」 思わずほっとしてしまう自分が嫌いになりそうだ。けど、せっかく六課とも馴染み始めたカズマがいなくなったら寂しいというのは事実だ。そういって自分を誤魔化すことにする。 「けどね」 「ん?」 カズマ君の偽造の身分証明書を提出するために封筒に纏めていた手を止める。珍しい、彼女が言い澱むことがあるなんて。もう一人の親友ほどではないけれど、彼女も正義の人故に何でもはっきり言うのだ。 「実はそっくりな顔の人が15年前に日本で行方不明になったって情報があったんだ」 「なんやて!?」 まさかだった。確かにカズマ君の顔は東洋系だし、名前も日本人っぽいとは思っていた。しかし本当に日本人、つまりは私やなのはちゃんの故郷、第97管理外世界の出身だったとは。 「でも15年前だから今とは顔が違うはずなんだよね」 「あ……そうやね」 確かにそうだった。15年前に似ていただけなら今はずっと老けているはずだ。早とちりだった。 「そっか、ありがとな」 「いいよ、私も気になってたから」 そう言って微笑を浮かべた後、彼女はここを退室していった。 ・・・ 「はぁぁぁ!」 円筒形のガジェットを真一文字に切り裂く。薄っぺらな装甲は容易くひしゃげ、内部機器を粉砕しながらオイルを撒き散らして爆散した。まぁ、魔力を物質化させて、ホログラムで見た目をリアルにしているだけの偽物なのだが。 「これで、15体か」 訓練再開から10分、最初はガジェットと戦っててと言われて戦闘を続けていたが、数にキリがなかった。 そしてまた、ビルの屋上から三体のガジェットが顔を覗かせる。 「くそっ、おりゃあ!」 『Fly Booster』 俺の声に続き、バックルから電子音声が鳴る。それに呼応して背中にある二本のブースター先端に発動した魔法陣から青い魔力光が噴き出し、俺の体が浮かび上がった。 ちなみに、俺は今の体を見て思うことがいくつかある。 まずはバックル。本来はこんなものじゃなかった気がするのだ。他にも腹や肩のアーマーが不自然に感じる。本来ここには何かマークが描かれていたはずなのに。今は無機質な装甲だけだ。 そしてこの背中にあるこのブースターも違和感の原因の一つだ。 「おりゃあああ!」 『Slash』 飛び上がった俺の剣が蒼い魔力光を帯びる。 俺はビルに着地しながら右足を軸に体を回転させ、三体のガジェットを一度に切り裂いた。――そして一歩遅れて爆発する。 「これで、18体かよ」 違和感が何なのか、俺には分からない。今は精一杯生きるしかないのだから。 再び床から四体のガジェットがせり上がる。まだまだ休ませてはくれないか。 「りあぁぁぁあ!」 フライブースターを噴かせ、一気に突進する。いや、しようとした。 それを、轟音が遮った。 「だ、誰だ!」 ガジェットを粉砕した影。背は低い。だが赤い衣装と右手のハンマーが、俺の恐怖心をくすぐる。いったい誰だ? 「なのは、これは一体――」 「お前がはやてを誑かしたのかぁぁぁあ!」 「えぇぇぇ!?」 その赤い影が、俺に襲いかかってきた。 ・・・ 鬱だった。 何故彼をあそこまで罵倒したか分からない。犯罪者と勝手に決めつけ、彼に辛くあたった自分が堪らなく憎い。 任務の合間、つかの間の休憩時間に、あたしは何をやっているんだろう。あの模擬戦以来、考え事ばかりしている気がする。 「ティア?」 声がかかる。スバルだ。あたしに元気がないのを察して来てくれたんだろう。 「ねぇ、スバル」 「何?」 スバルになら、悩みを吐いてもいいかな? 執務官になるために、あまり他人を頼ったりはしたくないのだけれど。 「どうしてあたし、カズマさんにあんなに辛く当たっちゃったんだろう」 「ティア……」 理由は無いわけじゃない。ナンバーズを捕まえた際に、しかるべき罪を課せられるかと思ったら驚くほど軽くて管理局に不信感があったとか。最近良くしてくれているなのはさんを蹴飛ばしたことが許せなかったとか、はやて部隊長が庇ったのが信じられなかったとか。この頃アレの習得が上手くいかず溜まったストレスも原因かもしれない。ホントに、いろいろ。 けど本当は、この機動六課という輪を壊してほしくなかっただけかもしれない。そんな小さな事のために辛く当たった自分が、本当に小さく見えた。 「ティア」 「何よ?」 「一緒に謝ろうか」 「えっ?」 まさかスバルがそんなことを――と考えて、あたしよりもずっとそういうことを気にするやつだったのを思い出した。 「あたしも最初はまだ本調子じゃないなのはさんに暴力を振るったあの人が許せなかったけど、今では反省してるんだ。なのはさんがあの人は悪い人じゃないって言ってたの、早く信じておけば良かったって、今頃になって思ってる」 目に涙を滲ませ、顔を伏せながら言うスバル。きっと任務中も悩んでいたのだろう。それを気付かせないように空元気を出していたに違いない。あたしがいつも通りだったら分かってあげられただろうに。それが悔しい。 「だから、その」 「分かった。スバル、一緒に謝りに行くわよ」 「ティア……」 あたしはなるべくいつも通りに笑いながら、 「くよくよ悩むなんて、アンタらしくないでしょ」 あたしは、そう言った。 ・・・ 何故だか俺は、ティアナとスバルのことを思い出していた。 ティアナとスバルが謝りに来たのは昨日の話だ。こっちはかなり驚いたが、願ってもないことだったので俺も喜んで受け入れた。 何故、今そんなことを思い出すのだろう。 「ぐあっ!」 「どうした! その程度かよ!」 赤い服を着る人影は少女だった。ドレスのような派手なフリルがいくつも付いた服を来ていて、年は小学生くらいだろう。可愛らしい顔立ちをしている。 そんな少女が憤怒の形相を浮かべて、ハンマーを振り回しながら襲いかかってくるなんて悪夢としか思えない。 「グラーフアイゼン!」 『Jawohl!』 威勢の良い彼女の掛け声と、ハンマーから鳴る同じく威勢の良い機械音声が重なる。それと共にハンマー基部のコッキングレバーが動き、薬莢が排出される。 「カートリッジ!?」 「ラケーテン、ハンマー!」 『Raketenhammer!』 赤い魔力がハンマーを包み込む。一瞬の後、ハンマーのヘッド部分は異形の姿に変貌していた。 叩き付ける部分には鋭い突起が、反対側にブースターが付いた新たなハンマーヘッド。見るからに危険そうだと分かる凶悪な外見だ。 それを彼女は、ジェットを吹かして自分の体を軸に回転させながら俺に叩き付ける! 「あぁぁぁぁぁあ!」 俺はそれを右手に発動させた小さな三角形の魔法陣型の盾、パンツァーシルトで受け止める。 甲高い耳が馬鹿になるような音が鳴り響き、ハンマーから生えた突起が俺の盾をガリガリと削っていく。 凄まじい衝撃と突起による追加ダメージ。 俺を守る盾は、限界に達しようとしていた。 『お願い! わたし達の六課を守って!』 その時、なのはの声が耳を震わせた。 ――守る……? そうだ、守らなければ。今六課隊舎を守れるのは俺だけなんだ。 ――そうだ、俺は。 俺が、俺が戦わないと。六課を、ティアナやスバル、エリオ、キャロの帰る場所を守るために。 ――俺はもう、誰も失いたくない。 そうだ、俺は―― ――“全ての人を、守ってみせる!” 「おぁぁぁぁぁっ!」 右手が輝き出す。眩い群青の光は、右手に展開されている三角形の魔法陣を包み込んでいき、亀裂をみるみる修復させていく。 「な! コイツ、いきなり魔力量が――」 少女が表情を変える。だがそんなことはどうでもいい。 俺はフライブースターを最大出力にして押し返す。 均衡する力と力。 「バリア、バースト!」 その状況を、俺はあえて粉砕する。 「なぁっ!?」 盾となっていた魔法陣が爆発し、彼女とそのハンマーを吹き飛ばしながら噴煙で包み込む。これで一時的だが眼は潰した。 俺は死角に一瞬で飛び、青い光を帯びさせた剣を降り下ろ―― 「そこまで!」 ――そうとした所で、戦いは終わりを告げた。 ・・・ 「なのは! てめぇ!」 先程まで戦っていた赤髪の少女が、なのはに掴みかかっていた。 「ごめんね、ヴィータちゃん。ああ言ったらカズマ君と良い戦いをしてくれるかと思って」 「にしてもやり方が悪過ぎだ!」 おそらくなのはの言っていた秘策はこの少女の事だったのだろう。確かにえらく強い相手だった。 ちなみに今いる食堂で夕食がてら事情を聞くということで集まったのだが、彼女がキレ出してしまったため俺には何も出来なかった。 しかし俺はなのはの少女みたいな甘い声にまんまと乗せられたということか。考えてみれば俺が戦わずとも彼女がいた訳なのだから、責任感を持つ必要はなかったのだ。くそ、あの高い声と必死さのある口調は反則だ。思わず守りたくなってしまった。 でも、俺は何か思い出しかけた気が――。 「ホントごめんね。今度はやてちゃんが休み取れるようにわたしが仕事引き受けるから。一緒に遊園地とか、この頃行ってないんじゃない?」 「ほ、ホントかなのは? やったー! はやてと久しぶりのお出掛けだー!」 単純な奴だな、と思ったのは内緒だ。なのははもしかしてこうやって彼女“で”遊ぶことを目的としていたのではないか? そうは思いたくないが……。 「ところでなのは。この子はどういう?」 「あたしか?」 なのはに対して散々怒りをぶちまけたからか、先程よりはずっと爽やかな自信に満ちた笑顔をこちらに向けた。 「あたしはヴィータ。はやての守護騎士ヴォルケンリッターにして機動六課スターズ分隊副隊長のヴィータだ」 赤髪の少女、ヴィータはそう名乗った。 ・・・ ようやく仲直りをしたティアナはカズマへの詫びとしてクラナガンの案内を志願する。二人での奇妙な買い物は、しかし平和には終われない。 ついに物語は始動する。最悪の方向へと。 次回『覚醒』 Revive Brave Heart 目次へ 次へ
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それは、小さな願いでした。 望んだのは静かな日々。待っていたのは遠く離れた大切な友達との再開。 ……だけど、訪れたのは突然の襲撃者。 出会い、戦い、大きな力……。 運命が、今静かに動き初めて 嵐の中での、心を繋げた絆を信じて…… 宇宙の騎士リリカルなのはBLADE…… 始まります。 いつも通りの静かな夜だった。 美しい月を映す水面は、優しい風に吹かれて静かに波を立てる。そんな静かな夜の出来事…… 「あはは、そっか……そうだったんだぁ」 ここはバニングス邸。 家の中から少女の声が聞こえる。 声の主はアリサ・バニングス。今は友達のすずかと電話中だ。 「……でも、フェイトに会えるのちょっと楽しみよね」 『でも私達でもこんなに楽しみなんだから、フェイトちゃんとの思い出が たくさんあるなのはちゃんは、もっともっと楽しみなんだろうね』 電話の相手、すずかもうんと頷きながら言う。 「フェイトがこっちに来るって聞いて、なのは本当に嬉しそうだったもんね~」 アリサは言いながら、机に並べたフェイトや自分達の写真を眺める。 「フェイトのお迎えイベント、今のうちから考えておこうか!」 そこでアリサは「いいこと思い付いた!」といった感じに立ち上がる。 『いいね~』 「うん。パーっとやろ~」 『誰のお家でやる?』 「喫茶翠屋とか♪」 アリサは笑いながら提案した。 第2話「赤い戦慄エビル」 「民間人への魔法攻撃……軽犯罪では済まない罪だ」 「何だテメェ?管理局の魔導師か?」 バルディッシュを向けられたヴィータが、フェイトに質問する。 「時空管理局嘱託魔導師……フェイト・テスタロッサ。」 フェイトはヴィータのそばにいる白い魔神……ブレードを気にしながらも名乗る。 「抵抗しなければ、弁護の機会がキミにはある。同意するなら、武装を解除して……」 「誰がするかよっ!」 だがフェイトの説明を聞かずに一気に後退し、ビルから飛び出すヴィータ。 「逃がすか!」 それを見たブレードはすぐに後を追うようにビルを飛び出す。 「あ……ちょっと!」 フェイトは飛び出していったブレードに声を掛けようとするが、凄まじい速度で飛んでいったためにそれを断念。 そこでフェイトは一瞬なのはを見て…… 「ユーノ、なのはを頼むよ!」 「うん!」 フェイトもブレードの後に続くため、ビルから飛び出した。 「ユーノくん……」 「うん。」 ユーノはなのはに右手を当て、治療しながらこれまでの経緯を説明する。 フェイトの裁判が終わり、なのはに連絡をとろうとするも失敗。さらに海鳴市に張られた結界を観測し、今に至る、と。 「そっか。……ごめんね。ありがとう……」 「あれは誰?なんでなのはを?」 礼を言うなのはに、今一番の謎を聞くため核心に迫るユーノ。 「わかんない……急に襲ってきたの……」 なのはも少し暗い表情で呟く。いきなり襲われる覚えなど無いというのに…… 「……でも、もう大丈夫。フェイトもいるし、アルフもいるから」 「……あの、白いテッカマンは……?」 大丈夫と告げるユーノに聞き返すなのは。『テッカマン』……さっきヴィータが呼んでいた名称だ。 ユーノにもテッカマンなど心当たりは無い。 「それが……僕たちにもよくわからないんだ……」 「そうなの……」 「でも、多分……」 ユーノは「多分」と言い、ビルから外を見上げた……。 「くっ!」 ガキィン! 鋭い音をたてて、ヴィータのグラーフアイゼンとブレードのテックランサーがぶつかり合う。 「なんなんだテメェは!」 「お前はラダムか!?」 ヴィータはブレードに向かって叫ぶが、ブレードがその質問に答える事は無い。 「何訳わかんねぇこと言ってんだ!」 ヴィータはグラーフアイゼンでブレードを弾き、距離を取る。 「グラーフアイゼン!」 『シュワルベフリーゲン』 そして4つの小さな鉄球をグラーフアイゼンで叩き、ブレードへと飛ばす。 ヴィータの中距離誘導型射撃魔法だ。 シュワルベフリーゲンはブレードに向かって飛んでいくが…… 「ふん!」 ブレードは飛んで来た4つの鉄球すべてをたたき落とし、そのまま突っ込んで来る。 「……な!?障壁!」 『パンツァーヒンダネス』 シュワルベフリーゲンをたたき落とされた事に驚きながらも障壁を張る。 次の瞬間、ブレードのテックランサーがヴィータの障壁に衝突。 「うおぉぉおおお!!」 「(な……なんて威力だ……!このままじゃ破られちまう……!)」 明らかに押されているのはヴィータだ。テッカマンの力が予想以上に強かった。 そこへ…… 「バリアァ……ブレェェェイクッ!!!」 「なに……!?」 下方向からの攻撃。アルフの放ったパンチ……バリアブレイクが、ヴィータを守る障壁に直撃。 ただでさえブレードの斬撃で破られかけていた障壁に亀裂が生じ…… 障壁は大きな音をたてて破られ、消滅。 「……ンのやろぉーッ!」 怒ったヴィータはアルフの目前まで急降下、グラーフアイゼンを振り下ろす。 「ふんっ!」 「あぁっ!」 咄嗟にアルフも防御魔法を発動するが、たやすく破られ地面へと落下するアルフ。 「……!?」 アルフに攻撃し、一瞬動きが止まったヴィータ。だがすぐに右方向から飛んできた攻撃に気付く。 ヴィータは飛んできた何かを咄嗟にかわす。 「これは……テックランサーか!?」 ヴィータの横を掠めていったのはブレードが投げたテックランサーだ。 ブレードは接近しながらテックランサーを投げ、すぐにワイヤーで回収、そして再びヴィータに切り掛かった。 「答えろ!お前はラダムの手先なのか!」 「ンなこた知るかよッ!」 言いながらブレードの攻撃をかわすヴィータ。この相手の攻撃を正面から受けるのは危険だ。 それはさっきの接触で証明されている。悔しいが今はかわすしかない。 一方、アースラ。 スタッフ一同は、アースラの整備を後回しにして海鳴市の広域結界を解こうとしていた。 もちろんモニターは何も表示しようとはしない。 「(無事でいて……なのはちゃん、Dボゥイ……!)」 リンディは砂嵐を映すだけのモニターを見て冷や汗を流す。 「術式が違う……ミッドチルダ式の結界じゃないな」 「そうなんだよ……どこの魔法なんだろ?コレ……」 結界の解析完了まであと少し。 クロノとエイミィはこの「ミッドチルダ式では無い術式」に不安を感じていた…… 「……ッ!?」 一方、ヴィータはアルフのバインドにより自由を奪われていた。 「終わりだね。名前と、出身世界……目的を教えてもらうよ」 フェイトはバルディッシュをつきつけながら言う。 ブレードはそんなヴィータを黙って見つめる。 「(奴はラダムとは関係無いのか……?いや……)」 近付いてくる何かの気配に気付いたブレードは、再び力強くテックランサーを握りしめた。 そしてブレードの予感は的中する…… 「……なんかヤバいよ!フェイト!」 アルフもまた何かに気付き、警告するが…… 「……!!」 時すでに遅し。突如現れた女がフェイトに斬り掛かってきたのだ。 咄嗟にバルディッシュで受けるが弾き飛ばされるフェイト。 ヴィータは自由を奪われながらも「……シグナム?」と女の名を口にした。 「レヴァンティン、カートリッジロード。」 シグナムと呼ばれた女は剣状のデバイス『レヴァンティン』に命令し、剣の柄から「カートリッジ」を排出させる。 そしてレヴァンティンは炎を纏い…… 「紫電一閃ッ!」 『Jar』 フェイトに向かって急降下、そのままレヴァンティンを振り下ろした。 「なっ!?」 バルディッシュで受けるが、レヴァンティンの圧力に堪えられずに切断される。 そしてシグナムは再び剣を振り下ろすが…… 『ディフェンサー』 切断されたバルディッシュが咄嗟に防御魔法を展開。致命傷は避けることができたが、それでも吹っ飛ぶフェイト。 そしてフェイトはユーノの付近に落下し、激しい轟音と共にビルの壁を突き破った。 「フェイトーーーッ!」 アルフは墜落したフェイトに駆け寄ろうとするが、銀髪の男に阻まれそれを断念する。 一方、シグナムもヴィータを捕縛していたバインドを破壊。 「あまり無茶はするな。我らが主が心配する」 「わぁってるよ!」 優しい口調で言うシグナムに、少し不機嫌気味に答えるヴィータ。 「それから、落とし物だ。破損は直しておいたぞ」 「……ありがと。」 シグナムはヴィータの帽子を手渡し、ヴィータもボソッと礼を言いながら受け取る。 そしてぶつかり合うアルフとザフィーラを眺めながら状況をまとめるシグナム。 「状況は……3対4。いや……」 「4対4だな!」 シグナムに割り込んでヴィータが言う。 フェイト・なのは・アルフ・ブレードvsシグナム・ヴィータ・ザフィーラ…… これならば4対3のはずだが……? 「ああ、そうだな。一対一なら、我らベルカの騎士に……」 「ふふ…」と笑いながら言うシグナム。そして…… 「負けはねぇッ!!」 シグナムに続けてヴィータが言い、二人は再び戦場へと赴く。 「状況は4対4」。その意味とは……。 「(……俺が感じた気配はあの女達の物では無い。ならば……)」 シグナムもザフィーラもさっきブレードが感じた気配とは違っていた……。 つまり、まだ誰かが来るということだろう。そして…… 「……ッ!!」 上空から突如として飛んできた短剣。ブレードは咄嗟にそれを弾く。 「ラムショルダー……だと?」 そしてこの武器の持ち主には心当たりがある。ブレードは「まさか……!」とラムショルダーが飛んできた方向を見上げる。 そこにいたのは、赤いテッカマン。 「久しぶりだね、兄さん……」 「エビルッ……!」 しばらく睨み合う二人。相手は赤い悪魔、『テッカマンエビル』だ。 「やはり生きていたか、エビルッ!」 「当たり前さ。兄さんとの決着をつけるまでは、死ねないよ」 嘲笑うかのように言うエビル。 「……俺もお前達を滅ぼすまでは、死なないッ!」 刹那、ブレードはエビルに急接近。二人のテックランサーがぶつかり合い、火花を散らす。 「はっきり言ってくれるじゃないか?兄さぁんッ!!」 「……っ!」 次の瞬間、ブレードはエビルのテックランサーに弾き飛ばされていた。 「……なるべく急いで帰りますから。……はい、それじゃあ。」 シャマルはシグナム達の戦闘を眺めながら主であるはやてに通信を入れる。 あまり遅くなって心配されるのもまずいのだ。 「……そう。なるべく急いで、確実に済ませます。」 シャマルはぽつりと呟き…… 「クラールヴィント、導いてね」 言うが早いかシャマルの指輪……『クラールヴィント』のクリスタル部分が宙に浮く。 一方フェイトは切断されたバルディッシュをリカバリーし、再びシグナムとぶつかり合っていた。 『フォトンランサー』 バルディッシュの機械音声が術名を告げる。 「……レヴァンティン。私の甲冑を。」 『パンツァーガイスト』 フェイトの狙いに気付いたシグナムは防御魔法を発動。シグナムの体をピンクの光が包む。 実に冷静な対応だ。 「打ち抜け……ファイアッ!!」 そしてフェイトは4つの光り輝くスフィアをシグナムへと発射。 だがシグナムは全く動じない。間違いなく直撃ルートだ。しかし…… 「……な!?」 「魔導師にしては悪くないセンスだ。だがベルカの騎士に一対一を挑むには……まだ足りん!」 シグナムは防御魔法、パンツァーガイストでフェイトの放ったフォトンランサーを全て弾き、再びフェイトに斬り掛かる。 カートリッジをロードし、渦巻く炎を身に纏ったレヴァンティンでだ。 「レヴァンティン!叩き斬れッ!!」 「……ッ!!」 再びフェイトは弾き飛ばされ、ビルの壁を突き破った。ビルの持ち主からすればこの上無く迷惑な話だ。 「フェイトちゃん!」 なのははユーノが張った回復・防御を兼ね備えた結界の中で叫んだ。 悔しいが今のなのはには何もできない。 ふと、別の方向を見上げると白と赤の閃光がぶつかり合っているのが目に入る。 「あれは……テッカマン?」 「俺達は双子だよなぁ!?兄さんの好きな兄弟愛はどうしたんだい!?」 言いながら突き刺すようにテックランサーを振るうエビル。 「なんの話だッ……!」 攻撃を受け、フェイトと同じようにビルの壁を突き破るブレード。 そしてエビルは追撃のために接近する。 「俺にあるのは……ラダムへの怒りと憎しみだけだッ!」 エビルがブレードのレンジに入った瞬間、背中のスラスターを噴射。エビルを蹴り飛ばす。 「……くっ!」 「うぉおおおおッ!!」 さらにエビルを追撃するブレード。お互いのテックランサーが火花を散らしながら上空へと昇っていく。 「(シンヤ……)」 シグナムはレヴァンティンにカートリッジロードさせながら一瞬エビルを見るが、再びフェイトへと目線を戻す。 「(あれだ……あの弾丸みたいなの……)」 フェイトもこの力量の差の秘密の一つがカートリッジであろうことに気付く。 「終わりか?抵抗しなければ命までは取らん」 「誰がッ……!」 シグナムの挑発に反応し、フェイトは再び立ち上がる。 「いい気迫だ。私はベルカの騎士、ヴォルケンリッターの将、シグナムだ。そして炎の魔剣、レヴァンティン……お前は?」 シグナムは興味のある相手の名前しか知ろうとはしない。そのシグナムから 名前を聞かれたということは、それなりに認められているのだろう。 「ミッドチルダの魔導師。時空管理局嘱託魔導師……フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ……」 フェイトもシグナムと同じ高度まで上昇し、自分の名を名乗る。 「テスタロッサ……それにバルディッシュか……」 シグナムはどこか気持ちの良さそうな顔で「ふふっ」と笑いながら復唱した。 「そんなものなのかい?えぇ!?兄さぁんッ!!!」 「ぐぁッ……!」 エビルはテックランサーでブレードのテックランサーを弾き、もう片方の腕に装着したラムショルダーで ブレードの装甲を切り裂いた。それにより地面に落下するブレード。 それと同時に、ザフィーラの攻撃を受けたアルフもブレードのそばに墜落する。 「く……エビルゥッ!」 「その声……アンタまさか、Dボゥイかい!?」 エビルを見上げ唸るブレードに、犬の姿をしたアルフが問い掛ける。 「……そう言うアンタは……?」 「アルフだよ、フェイトの使い魔の……!」 お互いに相手を認識する。 「Dボゥイ、ここは一つ連携といかないかい?」 アルフはブレードに提案するが…… 「断る!……奴は俺一人で倒すッ!」 「ちょ、ちょっとDボゥイ!」 ブレードはアルフの提案を拒否。再び背中のスラスターを噴射し、エビルに向かって突撃していった。 「何なんだい……まったく!」 「話は済んだようだな。」 「チッ……!」 愚痴るアルフに再び牙を剥くザフィーラ。アルフは飛び上がりそれを回避する。 なのはは結界の中でこの戦闘を見ている。 ユーノvsヴィータ。 シグナムvsフェイト。 アルフvsザフィーラ。 そして、赤と白の二人のテッカマン。 様々な色の閃光が驚異的な速度でぶつかっては離れ、ぶつかっては離れを繰り返している。 「助けなきゃ……私が皆を、助けなきゃ……」 なのははフラフラと歩き始める。すると、突然レイジングハートから桜色の翼が飛び出す。 「レイジングハート……」 『撃ってください。スターライトブレイカーを』 「そんな……無理だよ、そんな状態じゃ!」 スターライトブレイカーの発射を指示するレイジングハート。だがレイジングハートはヴィータの攻撃により すでにボロボロで、コアには大量の亀裂まで入っている。こんな状態でスターライトブレイカーを撃つのは避けたいが…… 『撃てます』 「あんな負担のかかる魔法……レイジングハートが壊れちゃうよ!」 『私はマスターを信じてます』 「…………。」 『だから私を信じてください』 なのはは考える。だが、答えはすぐに決した。 「……レイジングハートが私を信じてくれるなら……私はレイジングハートを信じるよ!」 なのははスターライトブレイカーの発射を決定し、他の皆に念話で伝える。 「フェイトちゃん、ユーノ君、アルフさん……それから、テッカマンさん!」 なのはに呼ばれたブレード以外の3人はなのはを見る。ブレードには聞こえていないのだろう。 「私が結界を壊すから、タイミングを合わせて転送を!」 なのはの正面に桜色の魔法陣が展開される。それを心配そうに見る一同。特にフェイトだが…… 「なのは……大丈夫なのかい?」 「大丈夫……スターライトブレイカーで撃ち抜くから!!」 そして…… 「レイジングハート!カウントを!」 『All light Count……Nine……Eight……』 レイジングハートのカウントが始まる。途中で音声が途切れそうになる。 だがそれでもレイジングハートは大丈夫だと言う。 『……Seven……Six……』 「兄さぁぁぁぁぁんッ!!!」 「エビルゥゥゥゥッ!!」 二人は何度も激しくぶつかり合う。ブレードのテックランサーがエビルを切り裂き、エビルもまたブレードを切り裂く。 『……Five……Four……』 フェイトとシグナムもまたお互いのデバイスをぶつけ合う。 レヴァンティンとバルディッシュは鋭い効果音と共に弾け合い…… 『……Three……Two……』 アルフはザフィーラに頭突き攻撃。それにより吹っ飛ぶザフィーラ。 お互いに動物形態になり、二匹の獣が激しくぶつかり合う。 『……One……Zero……』 「……ッ!?」 次の瞬間、なのはの勢いは静止した。 胸から何者かの腕が伸びているのだ。愕然とする一同。もちろんなのはも含めて。 その腕は小さな桜色の光を掴んでいる。 苦しむなのはに比例し、光も小さくなっていくが…… 『Count……Zero』 「……スターライト……ブレイカー……!」 それでもなのははスターライトブレイカーを発射。凄まじい威力の桜色の閃光が、 「ドゴォン!」というこれまた凄まじい轟音を響かせながら空を目掛けて駆け抜け、協力な結界をブチ破った。 まったくもって凄まじい威力だ。味方さえも恐怖を抱くという…… 「結界、破れました!映像、来ます!」 アースラのモニターに映し出されるのは4人のヴォルケンリッターと、二人のテッカマン。 「何これ!?どういう状況!?」 慌てるエイミィ。 「これは……こいつら……」 続けてぽつりと呟くクロノ。 「あれは……?」 そしてリンディの目に映るのは白い魔神『テッカマンブレード』。 「結界が抜かれた……!?皆、一度散って、いつもの場所で集合!」 シャマルの声に反応し、散り始めるヴォルケンリッター。 「チッ……いいところで……!」 エビルも不服だがシャマルに従い、このエリアから離れることにする。 「待てエビル!逃げるのか!?」 ブレードは逃げようとするエビルを追撃しようと追い掛ける。 「フン……今回は見逃してやるよ。命拾いしたね、兄さん……」 「何だと……!」 「ふふ……それに、もうすぐテックセットしてから30分たつんじゃないのかい?兄さん?」 「……くっ!」 「だから今回は見逃してやるよ。……次会った時、兄さんに確実にトドメを刺してやるからさぁ……!」 エビルはそう言いながら立ち去ってゆく……。 「……あれは!?」 一方、クロノはモニターに映る映像を見て愕然とした。 それはシャマルが持っている黒い本……。 そして、それはクロノ……いや、ハラオウンの者にとって少しばかり嫌な因縁を持っていた。 戻る 目次へ 次へ